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から新しい街をゼロから形成する。バリアフリーの標準化は可能と考えられる。写真4 ?フォーラムで質問に答える筆者1今後、建設する学校、図書館や新しい市街地の商店街など、さまざまな施設に段差やきつい坂道などを可能な限りなくしてバリアフリーを標準化する。2緊急時の避難所のうち幾つかを「福祉対応避難所」としての設置を検討する。そこでは車椅子対応やオストメイト(癌や事故などにより臓器に機能障害を負い、腹部などに排泄のための孔を造設した人)に対応できる消耗品・備品等の常備、専門スタッフが駆け付ける体制とする。3研修や話し合いの場などを通じて、障がい当事者と共に復興についても考えていく。陸前高田市では、今後地盤の嵩上げ工事により造成される津波被災地に新しい市街地が形成される予定である。そこには商店街や公共施設、駅などの整備が行われる。一口にバリアフリーと言っても、既にできあがった街では、全ての建物に段差解消を標準化することは簡単ではない。公共施設と一部の建物だけがバリアフリー化され、他の建物は相変わらずバリアが残るといったことになりがちである。しかし、陸前高田市はこれ2015年の国連防災世界会議は大きなチャンス東日本大震災から4年となる2015年3月には、仙台市において第3回国連防災世界会議が開催される。この会議は、国際的な防災戦略について議論する国連主催の会議で、国連全加盟国の参加により国際的な防災の取組指針の策定が行われる予定だ。前回の会議では191カ国が参加している。この会議は次の理由により、大きなチャンスだと考えている。1被災地の復興状況と、災害からの教訓を発信することができる。2奇跡の一本松とともに、防災文化の発信を意図する復興祈念公園構想を見てもらうなど、復興ツーリズムによる交流人口の増加につなげることができる。写真5、6 ?震災前の駅前通り(上、2 0 1 0年5月)と震災後の駅前通り(下、2 0 1 1年7月)。単なる復旧ではなく、バリアフリーを標準化した新しい街が形成できるかが課題020Civil Engineering Consultant VOL.263 April 2014