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写真9?CAS凍結システムの導入写真10?浜の台所CASセンター開設写真11?番屋景色写真12 ?番屋作業風景交流体験メニューの開発や漁業者・生産者との交流事業を定着させます。これらを通して、遠く離れた地で生産される商品が、あたかも傍で作られているという安心感や使い勝手の良さを提供する、愛着のもてる産地=「おかかえ産地」化に取り組み、消費ニーズに即応できる筋肉質でコンパクトな、地方都市型の食産業基盤整備を急ぎます。じいちゃん漁師の知恵と技、ばあちゃんの味のある手仕事と深い愛が孫に繋がり、世代が確かな形で繋がっていく。漁師町のものがたりが物作りの価値を高め、浜は一気に息を吹きかえします。支えていくのは最新技術と世代間連携です。等身大のあるがままの姿が受け入れられる産業が育てば、それは生産現場に全くと言ってよいほどに無用なストレスをかけないばかりか、産業に携わる人々のプライドを大きく開花させ、胸を張れる地域に育つことが期待されます。味のある手仕事を生み出し続け、それを産業価値に転換するためにも、生涯現役でいられる漁村らしい産業モデルの育成を行い、価値が持続的に生み出される環境を整え、消費者に深い感動を与える第二の故郷作りを行うことこそが、当地のブランド化であると考えます。地域創生を目指してこれまで地方都市は、都市部への憧れや仕事場探しにより、若い世代の人口流出が顕著でした。被災後の現在においては、弱体化した産業しか残されていない状況を前に、人口流出が加速度的に進むものと危惧されているところです。しかし、そのような状況に晒されながらも自らの足元を冷静に見つめ直してみれば、今、時代が何よりも求めている「ぬくもり」や「つながり」、「発見」や「感動」など、人の心に直球勝負が仕掛けられる、産業の芽がたくさんあることに気付かされます。その場所に埋もれ、価値に気付かれず、しかしながら時代の流れの中に姿を変えながらも確実に残ってきた「食文化」というものの再発掘、事業化は、強引に作られるブランドとは異なり、大きな訴求力を既に持ち合わせている宝物でもあると言えるでしょう。この様な多元的サービスを包括して提供できる地域内多業種水平連携体制の樹立を通して、みんなが楽しめる漁業漁村モデルを育成することこそが、被災前から抱えていた諸問題への解決につながるものと期待しているところです。Civil Engineering Consultant VOL.263 April 2014025