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写真5田?老駅を走る「復興支援列車」(H23.4.23)きかったことによる。調査の結果、復旧にかかる費用は80億円以上と見込まれた。全線復旧に向けて●国等への要望活動4月18、19日の両日、私は沿線の市町村長を訪問し、1 3年以内の全線復旧を目指すこと、2復旧は被災状況に応じ1次~3次に分けて行うこと、3ルートは変更しないこと、を説明し了承を得た。今後、国や県に支援を求めるに当たり、まず沿線市町村長を固めておく必要があったからである。5月9日には岩手県知事に対し、沿線8市町村長と三陸鉄道社長の連名で全線復旧への支援を要望した。同月24日には現地視察に訪れた枝野官房長官、7月23日には大畠国土交通省大臣(いずれも当時)に対し、復旧工事への支援を直接要望した。●増収活動震災により営業区間は1/3、輸送力は1/10に激減した。このことによる運賃収入の落ち込みをカバーするため、様々な対策を行った。その一つが「被災地フロントライン研修」である。「震災の実態を研究したい」「震災から教訓を得たい」といったニーズは多い。当社では旅行業の資格を活かし、こうしたニーズに応えるための現地視察研修を実施している。この研修は大学等の研究者、自治体関係者、防災関係者などから好評を博しており、平成23年度は146団体・約3,000名を、平成24年度は158団体・約3,600人を案内している。また、津波により流出したレールを加工・販売したのが「復興祈願レール」である。8月に島越駅周辺の被災レールを使い、社員自らが切断・加工し、幅10cmのものを5万円、幅5cmのものを3万円とし、各100個限定でネット販売したところ、多くの反応があった。10月には第2弾として盛駅周辺のレールを使い、400個限定で売り出し、いずれも完売した。この他にも様々な地域産品を売り出し、増収に取り組んでいる。本格復旧工事と運行再開岩手県は平成23年9月、補正予算において三陸鉄道の復旧工事費の一部、5億7千万円余りを計上した。これを受け、11月3日に野田村の十府ケ浦地区において復旧工事の起工式を開催した。国にも第3次補正予算において、震災で大きな被害を受けた鉄道の復旧経費を措置していただけた。復旧工事は、独立行政法人鉄道・運輸機構の全面協力で進められることになった。●田野畑駅?陸中野田駅間で運転再開(1次復旧)北リアス線の野田村の十府ケ浦地区では、津波に耐えて残った築堤上の路盤を強化し、新たにレールを敷設した。また同村の米田地区では、築堤をコンクリートで補強した。平成24年3月にはこの区間の工事が終了した。そして4月1日、田野畑駅において田野畑駅~陸中野田駅間24.3kmの運行再開式典を開催した。平野復興大臣(当時)や達増岩手県知事にも参加いただき、地域の皆様と運行再開を喜び合った。●盛駅?吉浜駅間で運転再開(2次復旧)南リアス線では、津波により線路や築堤が破壊された盛駅~陸前赤崎駅間及び、甫嶺駅~三陸駅間の復旧工事を中心に、地震により発生した軌道変位の修正等写真6「フロントライン?研修」田老地区で被災状況を説明(H23.7.7)写真7復?興祈願レール(5万円)写真8 ?北リアス線に乗り入れたJ R東日本「リゾートうみねこ」(野田村H24.4.30)028Civil Engineering Consultant VOL.263 April 2014