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写真9?南リアス線新車搬入(H25.2.16)写真10 ?南リアス線の「震災学習列車」写真11?お座敷列車「北三陸号」のアテンダントとウニ丼が行われた。また被災し使用不能となった気動車3両に代わり、クウェートの支援を得て製作された新車両3両が導入された。平成25年4月3日には、南リアス線盛駅~吉浜駅間も運行を再開した。新車両は平成26年3月までに、新たに南北リアス線合わせて5両が導入されている。●全線運行再開(3次復旧)2次復旧した時点で、未開通区間は南リアス線の吉浜駅~釜石駅間(15.0km)と北リアス線の小本駅~田野畑駅間(10.5km)であった。島越駅周辺はそれまでの高架橋から築堤に変更し、駅の位置も北側に約100mずらした。これらの区間の復旧工事も順調に進み、一部の付帯工事を除き平成26年3月中旬に工事が終了。ただちに訓練運転を行い、全線での運転再開に備えた。4月5日に南リアス線の運行再開式典を、翌日には北リアス線の運行再開式典を実施し、全線で運行再開の運びとなった。地域と共に当初の予定どおりこの4月に全線で運行を再開することができた。しかし東日本大震災の爪痕は大きく、前途は決して容易ではない。それは、被災地の復興の遅れや人口減少、さらに「高台移転」などによりモータリゼーションが一層進展することが考えられるからだ。このため、対応策として次のような取り組みを進めているところである。●交流人口の拡大三鉄沿線は豊かな自然や、ウニ・アワビなどの産物に恵まれている。これを活かした観光客誘致に努めている。また、首都直下型地震や東南海地震の発生が懸念されている中、これまでも取り組んできた「フロントライン研修」や「震災学習」のプログラムの一層の充実を図ることにしている。平成25年の「三陸復興公園」の指定や「三陸ジオパーク」の認定、さらにNHKの朝ドラ『あまちゃん』の波及効果継続をねらった取り組みを進写真12三?鉄グッズや地域コラボ商品めていくことにしている。●「駅を中心としたまちづくり」の推進平成23年8月に沿線市町村に対し、駅を中心にしたまちづくりの推進を要請した。これを受け、沿線市町村では公共施設や住宅地を駅周辺に設置することを検討している。また、駅のバリアフリー化や復興住宅地の新駅設置検討も始まっており、「駅を利用しやすくする」「駅をにぎわいの場にする」ことが期待されている。●物販の拡大震災以降、三鉄の情報発信力を活かして「三鉄オリジナルグッズ」や地域産品の販売を行ってきた。今後も三陸地域の海産物など、地域の特産品をネットショップなどで全国に販売することにより、収益の確保と地域の産業振興に貢献していくことにしている。鉄道の持つ力震災を経て、鉄道の持つ優位性(安全・安心、定時性、速達性、大量輸送)が再認識されている。また私が知る限り、鉄道が廃止されて栄えた街はない。地域を衰退させないためにも、鉄道の持つこうした優位性を活かしていくことが大切ではないだろうか。三陸鉄道は今後も地域住民の生活の足として、また、全国から多くのお客様をお招きして地域振興に貢献することを使命として走り続けていきたい。Civil Engineering Consultant VOL.263 April 2014029