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図2ドップラーシフトの概念イメージ(流速×断面積)により引き伸ばして推定する方法が一般的です。このため、流量を算出する流速値の精度により、その年のアユ総流下仔魚数が左右されると言っても過言ではありません。これまでのアユ流下仔魚調査では、河川横断面に対して電磁流速計などを用いて複数箇所で流速を計測していました。今回の場合、図1に赤丸で示す複数箇所で流速を計測し、その流速値とその流速が支配する面積のブロックごとに流量を写真2 ADCPを用いた流速計測状況算出することになります。その後、各ブロックの流量を合算することでその河川横断面の流量としていました。しかし、河川内の流速は河床地形など様々な物理的要因を受け、場所ごとに異なります。そのため、流速をより多くの計測点で詳細に測定し、精度の高い流量を算出することが課題となっていました。図3 ADCPによる流速計測イメージ■ADCPを用いた河川横断面■の詳細流速測定この課題を克服するため、今回の調査ではADCPを用いて流速を計測しました。ADCPは、ドップラーシフトと呼ばれる物理法則を利用して流速を計測する機器です。ドップラーシフトとは、発射された超音波の周波数と、それが水中に存在する懸濁物質などにぶつかり反射して帰ってきた時の周波数に変化が生じる現象を言います(図2)。例えば、ある点から超音波を発射した時(発射時の周波数:F0)に、ぶつかった懸濁物質が超音波の発射位置に近づくように動いていれば、反射して帰って来る周波数(帰ってきた時の周波数:F1)は小さく、F0>F1なります。このドップラーシフトを利用して、超音波を発射し、反射して受信するまでの時間の違いから、任意の水深(15cmごと)の流速を測定することが可能です。このADCPをゴムボートに取り付け、流速を測定しながら航行しましCivil Engineering Consultant VOL.263 April 2014033