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図4ADCPを用いた流速計測により作成した流速分布図写真3産卵場で確認されたアユ卵写真4捕獲したアユ仔魚(固定後)おいてアユ仔魚の流下は夕暮れかた。また、各流速計測位置と河川横値を乗じたものをセルの流量とし、034Civil Engineering Consultant VOL.263 April 2014断面上の位置(ゴムボート)をリンクさせるため、ゴムボートにGPSを取り付け、航行位置を測りました。得られた各水深帯の流速、水深、位置情報のデータを整理し、作成した河川横断面の流速分布図が図4です。セル一つ一つがADCPで流速が計測された水深帯を示します。流速分布図を見ると、水深帯ごとに流速が異なることが分かり、電磁流速計では把握出来ない細かな流速変化を捉えることが出来ています。また、電磁流速計を想定した場合の流速計測点は27点(図1の赤丸)ですが、ADCPを用いた流速計測は635点(セル)で、計測点が約20倍となりました。このデータから、それぞれのセルの面積とセルの流速全てのセルの流量を合算することで河川横断面の流量としました。■アユ流下仔魚捕獲調査一般的にアユの産卵は、秋頃より河川下流域の早瀬で行われ、産卵された卵は川底の小石に付着、およそ2週間で孵化し、海へと流下を始めます。このアユ仔魚の流下のタイミングが調査開始時となるため、今回実施した流下仔魚調査では、まずアユ産卵場で産卵状況を確認したうえで第1回目の調査日を設定しました。調査は、流下ピークを跨いで実施することを目的に、第1回目の調査より約1週間間隔で5回の調査を実施しました。また、既往の研究にら夜間に集中することが知られているため、各調査地点で17~21時の毎正時に10分間、濾水計を取り付けた仔魚ネットを水面下に設置し、流下してくるアユ仔魚を捕獲しました。さらに、第4回目の調査は2時間おきに24時間、同様の調査を実施することで昼間のアユ仔魚の流下状況を把握しました。■アユの総流下仔魚数の推定一般的にアユ総流下仔魚数は、各調査地点の仔魚ネットが10分間に濾過した水量と捕獲仔魚数から「単位流量あたりの流下仔魚数」を算出します。この単位流量あたりの流下仔魚数に、今回は「ADCPを用いた流速計測により算出した河川