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後輪(メインギア)誘導路橋誘導路橋写真3実機載荷試験(B777-300ER)B777‐300ER右主脚ひずみ計設置区域ひずみ計(mm)320280実測ひずみから求めた応力度240200160120計算値(B777-300ER)LA-0による応力度(計算値)80曲げひび割れ強度405.39N/mm 20-4 -3 -2 -1 0123456床版支間方向の応力度(N/mm 2)図7旅客機の載荷位置図8床版コンクリートの応力分布各部材の計測は、誘導路橋の支間中央に旅客機を設置した静的載荷試験および、旅客機をトーイングトラクター(重量70t)車で時速4kmと8kmで牽引する走行試験を実施した。旅客機の後輪直下の床版応力分布と設計値を図8に示す。床版上段、中段、下段のコンクリートひずみ(実測値)から求めた応力度は、設計計算値と概ね一致した。また、本橋の開発目標であるLA-0が走行した場合でも、床版下面コンクリートには曲げ引張応力度が3.4N/mm 2発生する程度で、本橋コンクリートの曲げひび割れ強度(5.4N/mm 2)を十分に下回ることが確認できた。以上より、大型旅客機が誘導路橋を頻繁に走行しても、この床版構造は、十分な安全性を保持しているものと判断した。■おわりに成田国際空港の運用や周辺道路に大きな影響を与えない拡張工事として、構造高が低い誘導路橋の開発を進めてきた。大型旅客機の輪荷重に起因する課題に対して、複合構造という新技術で、前述の解決方法を導きだすことができた。また、コンサルタント設計業務では、構造物の載荷試験を行うことは希であるが、今回は実際の旅客機による橋体応力や変形性状など、貴重なデータを得ることができた。今後も2020年に開催される東京オリンピックに向け、成田空港や羽田空港の発着能力増大などの重要プロジェクトが計画されており、橋梁技術者として新たな提案を行っていきたい。<参考資料>1)金子雅廣、山口浩平、友田富雄、日野伸一:Development of Steel Concrete CompositeDeck Bridge of Taxiway for hypothetical aircraftload,IABSE-IASS-20112)?金子雅廣、武井雄三、出山裕樹他:大型航空機を対象とした誘導路橋梁コンクリート床版の使用性能の評価、平成25年度土木学会年次講演集Civil Engineering Consultant VOL.263 April 2014043