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写真3 瀟洒なハイフォン駅写真4ルウサ駅の三線軌道写真5ドンダン線の車内書いたりして切符を購入した。混雑していると、この方法では出札係に相手にされない可能性もある。発券はオンライン化されており、薄赤の乗車券にベトナム語で行き先や座席番号が印字されている。英語が併記してあることもあり、そのときはforeignerと印字されていた。これが何を意味しているのか不明である。現在は廃止されているが、かつては外国人とベトナム人に運賃差がある二重運賃となっていたので、その名残だろうか。初乗運賃は10,000ドン(約40円)であったので、ちょうど昭和40年代の日本と同じような値段である。車内の様子オンライン発券される優等列車は全席指定であるが、後述するカイラン線は座席指定がなかった。私が乗った列車の座席は木製であった。改札は列車毎に行っており、旅客列車到着時以外は改札の扉に鍵が掛けられていてホームに出入りできない。ホームは低く、車両の扉の下に付けられたステップを上って車内に入る。各車両の扉は手動で、走行中は鍵を掛けるため、乗務員の数は多い。検札は、列車によってあったり、なかったりする。車内の掃除は行き届いていてゴミもなく清潔だ。列車の窓には投石防止のため鉄格子がはめられていて、開けると車掌から注意される。車内販売は幹線では国鉄職員が行っていたが、ローカル線では地元の人が乗り込んできたりしていた。これは車内販売というよりは単なる物売りだろう。売られているものは主に弁当、ペットボトル飲料、お菓子類、新聞雑誌である。車内アナウンスはあるが勿論ベトナム語であるから理解できない。発車の合図として機関車がけたたましく汽笛を鳴らすので、乗り遅れは防げる。ベトナム語ベトナムでは何をするにもベトナム語を使えないと苦労することが多い。特に都市から離れるとベトナム語だけの世界である。ベトナム語は発音がとても難しいと言われるが、唯一の救いは文字表記に英語と同じラテン文字を採用していることである。駅の看板は何とか読めるので自分が今どの駅にいるのかわかる。但し、イントネーションが6種類もあるので、ローマ字読みで言葉を発して伝えるのは難しいと思われる。また、日本や中国と同じく漢字文化圏のため、語彙に共通性が見られる。ハイフォン線ベトナムに来て始めに乗ったのがハイフォン線である。ハイフォンはベトナム北部最大の港湾都市で人口180万人。ハノイの外港の役割も果たしているため交通の往来も頻繁である。また、ハイフォンが観光地の要素を備えているために観光客も訪れる。ハノイ~ハイフォン間には旅客列車が1日4往復設定されている。ハノイのロンビエンを9:30に出発する列車に乗ってみることにした。一瞥しただけで外国人とわかるようで、1等の乗車券が発券された。1等車は冷房付でリクライニングシートの座席であった。サービスのつもりであろうが、延々とベトナム映画が流されていて、うるさくて仕方がない。居心地のよい車両を、機関車のすぐ後ろに見つけた。コンパートメント車のようだが、ベッドにゴザが敷いてある。そこで車掌が茶を飲んだりタバコをふかしていたりするので、車掌車のようだ。使い古しの寝台車を車掌車として利用している。ここには冷房もなかったが、窓が目いっぱい開いていて快適だった。職員に咎められるどころか空いたスペースに座らせてもらった。ハイフォンには12:10に到着し、少しだけハイフォンの町を散策して15:10発の列車でハノイへ戻った。クワンチェウ線クワンチェウ線は1日1往復の運行となっている。ロンビエン14:35発の列車に乗ってみることにした。この列車はイェンヴィエンからラオカCivil Engineering Consultant VOL.263 April 2014049