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写真6?中越国境。手前がベトナム。奥が中国写真7カイラン線の行商列車内写真8 竹かごに入れられた子豚写真9?カイラン線の貨客混合列車写真10懐かしい感じのランマウ駅写真11デッキまで荷物であふれるイ線に入り、途中のドンアインでラオカイ線と別れてまっすぐ北上する。この路線は途中のルウサまでは三線軌となっている。約70kmを3時間近くかけて走ったが、車窓は平凡で変化に乏しかった。タイグエンには17:07に到着した。終点のクワンチェウは街の中心から離れているので、帰りのバスのことを考え、このタイグエンで降りる。タイグエンは人口30万人の中都市なのでバス便もあるはずだ。ドンダン線ドンダン線は国境を越えて中国へとつながっているため三線軌となっている。旅客列車の本数は1日4往復である。日帰りの予定なので始発に乗ることにして、ザーラムを6:00発のドンダン行き列車に乗った。ザーラム駅に隣接して鉄道車両の工場があり、鉄道の町の様相を呈している。ケップを過ぎて車窓に山が迫ってくる。チェコ製の機関車は喘ぐようにゆっくりと勾配を登っていった。小さな盆地に出たところがランソンの街である。列車はランソンの町外れのドンダンに11:35に到着した。ドンダンは中国との国境に面した街である。折り返しとなる列車を待つホームには、国境貿易でもしているのか、何やら物資を大量に積み上げている人々でごった返していた。駅から国境までは5kmほどだと言うのでタクシーに乗って行ってみた。そこは国境らしからぬのんびりした雰囲気であった。現在、日本人は中国への入国に際して短期であれば査証は必要ない。ベトナム側の出入国管理事務所で出国の手続きをして5分ほど歩き、中国側の出入国管理事務所より入国する。いろいろ日中関係が緊迫している時期のため緊張したが、あっさりと旅券に入国スタンプが押された。しかし中国に来たものの、日帰り程度では見るべきもゆうぎかんのもなく、友誼関という古びた門を一瞥して、ベトナム側に引き返した。帰途は列車が夜までないのでバスに乗った。バスといってもマイクロバスのようなものである。助手席に乗っていいかと運転手に訊くと、いいとのことで、これ以来バスに乗るときは助手席で車窓を楽しんだ。ベトナムのバスはベトナム人の気質のせいか、交通ルールを無視する傾向にある。対向車のある片側1車線道路でクラクションを連打し我先に追い越すのは、見ていてハラハラする。カイラン線ベトナム旅行といえばハロン湾クルーズ。穏やかな海の中に奇岩が聳え立つ風景はベトナムの紙幣にも描かれている。これほど有名なハロンへ向かうカイラン線であるが、鉄道路線は一般のベトナム人にもあまり知られていないようである。そのため誰一人として観光客は乗っていない。観光客どころか一般客がほとんど乗っていない。なにしろカイラン線は1日1往復のみで、貨客混合行050Civil Engineering Consultant VOL.263 April 2014