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A3. 2011年6月から2012年1月まで7ヶ月間パプアニューギニア国のブーゲンビル島に派遣され、島の約北側半分(約180km)の東海岸線道路を整備する業務(事業費約30億円)に参加しました。この道路では河川が多く、頻繁な降雨により渡河が困難であり、交通の障害となっていました。そのため15箇所のコンクリート橋梁や河川構造物を整備する事で安全・安定したライフラインを確保し、かつ生産物の輸送ルートを確保する必要がありました。また、長年の分離独立運動により開発が遅れているブーゲンビル地域の社会経済の安定化及び活性化に寄与する事を目標とし、進められました。Q4.パプアニューギニアは初めてとのことですが、どうでしたか。A4.最初は、パプアニューギニアと聞くと南国でとても楽しそうなイメージを持っていましたが、出張して“びっくり”。「楽しそう」とは正反対のお国でした。首都のポートモレスビーでは、安全面から1人でぶらぶらと街中を散策なんて事も出来ません。基本的にはホテルに缶詰状態です。海外出張時の楽しみの一つでもある、街の散策に制限(身に危険が迫る恐れがあるので仕方が無い)があるため、非常にストレスを感じる一つの要因となっていました。Q5.本業務を実施する際に大変だったことは。A5.基本的に本業務で、施主に代わり構造物が所定の規格通りに建設されているか、不測の事態の発生もなく予定通り工事が進捗しているか、安全管理は適切に行われているかなど、現地でほぼ毎日確認しました。これは、技術だけではなく、マネジメントエンジニアとして建設工事に主体的に関わりを持たなくてはならないことに大変さを感じました。そして、プロジェクトが進行するに従い、客先へ構造物が順次引渡され、式典などが行われますが、その様な式典の調整作業を行うことが一番大変でした。その理由は式典日が決まらない、招待客の出席予定が決まらないなどプログラムが流動的で、確定できない事でした。Q6.このような海外業務に携わって、やりがいを感じることは何ですか。A6.実はプロジェクトも終わり、1年後に瑕疵検査を行うため、再びブーゲンビル島へ渡航しました。写真2 ?N o . 1 5ラワ橋(単純合成H形鋼橋梁、延長4 0 m、工事費1 . 3億円)完成後、地域住民たちのお祝いセレモニー?まとめ建設時は、河川整備が行われていないため、大雨により河道が移動し、施工に影響を与える事もありました。竣工後、河川が氾濫し、構造物に深刻な被害を与えているのではないかと不安もありましたが、先方政府が日常点検を実施し、必要な対策を講じた結果、構造物の機能は維持されていました。また、構造物に落書き等も無く、地域住民が一丸となって維持管理を行っている事が確認できました。さらに、1年前に比べ、道路沿いにはマーケットが増え、整備された路線を使う車両の数が増えた事を実感できました。このような様子を見ると、当初の目標でもあるブーゲンビル地域の社会経済の安定化及び活性化に少しでも寄与する事が出来たのではないかと思うと、大きなやりがいを感じました。海外に行って仕事するというのは国内ではあまり見られない出来事が起こりやすく、大変なことが多いと思いますが、その分、自分の人生の中で貴重な経験となり、忘れられないやりがいをきっと感じると思います。是非海外業務にチャレンジして見てください。Civil Engineering Consultant VOL.263 April 2014057