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特集都市と公園?これからの公園に求められる能力?2千年希望の丘?千年先までも子どもたちの笑顔を守る?井口経明IGUCHI Tsuneaki前岩沼市長東日本大震災であまりに多くの人命を奪った津波に日本中が驚愕し、改めてその怖さを思い知らされた。津波から人々のいのちを守る公園として整備を進めている岩沼市「千年希望の丘」。震災復興が進む中、どのように整備され、名前に込めた想いとは。健幸先進都市宮城県の中央部、仙台市の南約17.6kmに位置する岩沼市は、東西約13km、南北約10km、総面積約60.7km 2を有する都市で、西部の山岳地域から東部の太平洋岸に至るまでなだらかに平野が広がり、南部の市界には阿武隈川が東に流れています。また、東北本線と常磐線の分岐点、国道4号と6号の合流点であり、さらに東北地方の国際化の玄関口となる仙台空港がある交通の要衝です。将来都市像を「があふれる“健幸”先進都市いわぬま」と定めた『いわぬま未来構想』を平成25年度に策定し、東日本大震災からの復旧・復興をスピード感とコスト意識を持って進めるとともに、自助・共助・公助と協働・連携のさらなる推進による市域全体の均衡ある発展を目指したまちづくりを進めています。想い・願い本市は平成23年3月11日に発生した東日本大震災において壊滅的な被害を受け、中でも特に大きな被害を受けた沿岸の6集落が集団移転を行います。この被害の大半が津波によるものであったことから、私たちは、改めて物理的に防御できない津波の存在とその圧倒的な力を知ることになりました。そして、このような災害と共存していくためには、大自然の力を完全に防御するのではなく、災害時の被害をいかに最小限に食い止めるかという「減災」の考え方を基本にまちづくりを進めていく必要があることを再認識いたしました。そのため、津波の力の減衰や避難場所として活用するとともに、再生可能な震災廃棄物を活用した築造により、この津波の痕跡や被災者の想いを後世に伝え、さらに集落跡地等の遺構の保存による震災の記憶や教訓を国内外に発信するメモリアル公園と防災教育の場として、「千年希望の丘」の整備を進めています。千年希望の丘は、「いのちを守る」「大震災を伝える」「自然と共生する」「みんなでつくる」という人々の想いを千年先の子どもたちに伝えるとともに、このプロジェクトを進めることにより、岩沼市の復興、そして、岩沼市が千年先まで持続可能なまちになることを願っています。図1千年希望の丘基本構想図010Civil Engineering Consultant VOL.264 July 2014