ブックタイトルConsultant_264

ページ
13/66

このページは Consultant_264 の電子ブックに掲載されている13ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

Consultant_264

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

Consultant_264

図2千年希望の丘のイメージ写真1 3名が助かった丘(二野倉)写真2避難時に丘から撮影(岩沼海浜緑地)いのちを守る丘東日本大震災時の津波では、沿岸部に位置する岩沼海浜緑地内の高さ約10mの丘に3名の方が避難し、無事に助かっています。津波の高さは約8mに達しましたが、この丘の頂部は津波の浸水からまぬがれ、まさしく「いのちを守る丘」となりました。このエピソードと同じように千年希望の丘は、地域の避難地として、人々の想いや大きく成長した木々と共に、歴史的な遺産として千年先まで人々のいのちを守ります。大震災を伝える丘私たちは「津波の恐怖」「失われた命」「かつての生活の場」「助かった命」など、津波に伴う様々な出来事を後世に伝承していく必要があります。千年希望の丘は、千年先までこの想いが伝わるように、大震災を伝える丘として震災廃棄物(再生資材)を活用して築造しています。また、丘周辺の集落街区や建物基礎を震災遺構として保存し、さらに追悼広場等の震災復興祈念施設を整備することで「鎮魂・追悼・記録・伝承」の場、そして防災教育の場として整備を行っています。自然と共生する丘津波は私たちに大変な恐怖をもたらしましたが、津波によってできた湿地や草原には自然が再生され、多様な生物が息づいてきています。このことから、私たちは自然を脅威に感じるだけでなく、自然と共生していくことが必要であると考えています。そのため千年希望の丘の、丘どうしをつなぐ部分は「緑の堤防」として沿岸部の約10kmを結び、その斜面には様々な樹木を植栽し「自然と共生する丘」としています。日頃は、東に太平洋を見渡し、西に写真5津波により残された湿地写真3 ?津波を乗り越えた神社(長谷釜地区)写真4 ?慰霊碑(相野釜地区)蔵王連峰を望む地として訪れていただき、眼下に広がる湿地や草原は多様な生物が生息する場として自然との共生を図っていきたいと考えています。また、海岸防災林と隣接して構築される樹林帯は、豊かな自然環境を生み出すだけでなく、双方が相まって樹木の成長に伴い津波エネルギーの減衰効果も期待できると考えています。みんなでつくる丘砂浜海岸を含む沿岸部約10kmの千年希望の丘は、「丘」と「緑の堤防」を連結させ、減災や避灘場所・防災教育の場などの役割と、海を眺めながら散策が楽しめる沿岸部のネットワークをつくることも狙いとしています。本市では多くの方々や企業の寄付により相野釜地区写真6第1号丘(相野釜地区)Civil Engineering Consultant VOL.264 July 2014011