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0 2.5 5 10図3東京都指定避難場所及び避難道路図(5)?大規模水害から人命を守る:海抜0 m市街地における葛飾にいじゅくみらい公園東京都葛飾区は海抜0m市街地に位置しており、大規模水害発生時には市街地の大半が浸水することが想定されている。大規模水害に対して浸水しない避難所の確保が至上命題となっている中、工場跡地の再開発において、盛土による地盤高の嵩上げを行い、敷地中央部に立地する大学施設と連携して、近隣の住民に避難所機能を提供している。なお、洪水ハザードマップの浸水深をもとに1.5mの嵩上げを行い、23,000人分の避難空間が確保された。次の未経験・未知の大災害への備えとしての公園これまでの歴史の中で、公園は地域の防災性の向上に寄与してきた。災害は、時代、地域、発生条件が違えば、過去のものとは異なる様相となる。次の大規模災害は日本社会がこれまで経験していない状況となることを前提に、さらなる工夫が必要である。今後必要とされる重要な視点は、マルチハザードへの備え、そして想定以上と想定外への備えである。これまで公園整備においてはほとんどの場合、地震災害あるいは津波災害といった単一の災害を前提としていた。しかし、これからはマルチハザードに備える必要がある。葛飾区にみるように複数のハザードを抱える地域は多い。地震だけではなく、同時に大規模水害に対しても備える空間と機能が必要である。これは地震水害といった複合災害にも備えることにもつながる。東日本大震災をふまえると、想定以上と想定外に備える必要があることを日本社会は学んだ。「自然の外力に上限はない」という認識の下、フェールセーフの厚みをつけ、リダンダンシー(冗長性)を高めていく必要がある。「余裕の空間」を市街地の中に抱えることがそれへの近道の一つである。今後の公園設計、あるいは公園の再整備において重要な視点として反映されることが望まれる。<図・写真提供>図1市?川市(http://www.city.ichikawa.lg.jp/common/000012212.pdf,2014.4.30)図2内?閣府首都直下地震対策協議会資料(http://www.bousai.go.jp/kaigirep/chuobou/senmon/shutochokkajishintaisaku/1/pdf/9.pdf,2014.4.30)図3 ?東京都(http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/bosai/hinan/pdf/hinan?basyo_dourozu.pdf,2014.4.30)写真1、2著者Civil Engineering Consultant VOL.264 July 2014017