ブックタイトルConsultant_264

ページ
30/66

このページは Consultant_264 の電子ブックに掲載されている30ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

Consultant_264

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

Consultant_264

Project 1 briefプロジェクト紹介シエラレオネ国カンビア地方給水整備計画松田和美MATSUDA Kazumi株式会社エイト日本技術開発国際事業本部技術部環境グループグループマネージャーこのような状況から、同国の給水率■シエラレオネという国地の人達でも嫌になるくらいの激し028Civil Engineering Consultant VOL.264 July 2014皆さんはシエラレオネという国をご存知でしょうか?アフリカの西端に位置する豆粒のような小さな国です。北海道の約90%の国土に600万人の人達が暮らしています。小さな国ですがダイヤモンド、金、鉄鉱石、ボーキサイトなどの地下資源が豊富です。また、稲作やカカオ、コーヒーなどの農業生産も盛んです。気候は熱帯雨林に分類されます。国が赤道から少し北側の雲ができやすい北緯7~10度に位置しているせいか、5~10月の雨期の半年間に海沿いで5,000mm、内陸部でも1,800mmの降雨量があります。特に8月は現い雨が連日降り続きます。■給水の現状と課題シエラレオネは1991年から約10年続いたダイヤモンドの利権を巡る内戦によって社会基盤施設の多くが壊滅的な打撃を受けました。給水分野も例外ではなく、1970~80年代に世界銀行やフランス、日本などの協力によって、地方都市の約40ヶ所に急速ろ過方式の水道施設が建設され、給水を行っていましたが、内戦でそのほとんどが破壊されました。現在も施設の復旧は進んでおらず、運転できないままです。は37%(都市部47%、地方部32%、2008年現在)と低い水準に留まっています。本プロジェクトの対象地域であるカンビア・タウンは、シエラレオネの西端に位置し、隣国ギニアと国境を接するカンビア県の県庁所在地で人口約2.5万人の町です。この町の水道施設も内戦で破壊されました。このため、住民は素掘りの伝統井戸などを給水源として利用しています。しかし、これらの井戸は、乾期には水位が下がって涸れてしまいます。また、汚水の浸透による汚染も疑われ、給水源としての安定性や水質に写真1既存浄水設備写真2伝統井戸内戦中に破壊されたカンビア・タウンの既存浄水設備。浄水薬品や運転にカンビア・タウンの伝統井戸。素掘りの井戸で深さは1 5 ? 2 0 m程度。乾期技術を要する急速ろ過法が採用されているは地下水位が低下して水涸れする