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写真3スワンプの取水ポンプ場スワンプは河川の濁度が上昇する雨期の水源となる。乾期はほとんど流量がないが雨期は清澄で豊富な地下水が流出する問題があります。さらに、住民は井戸が涸れると不衛生な河川や溜り水を利用せざるを得ず、毎年コレラなどの水因性疾病の患者や死者が出ています。同国の他の地方都市の給水状況も同様に劣悪で、国民の多くは安全な水へアクセスができない状況にあります。同国は世界で最も平均寿命の短い国(47歳:WHO、2013年)ですが、このような劣悪な給水状況がその原因の1つになっています。■計画の内容と技術面での工夫本プロジェクトはこのようなカンビア・タウンの給水状況の改善を目的に、計画給水人口3万人、給水原単位は公共水栓20l/人/日、各戸給水栓60l/人/日(平均36l/人/日)で、施設能力1,200m 3 /日の給水施設を建設するものです。我が国の無償資金協力事業で実施されました。前述の1970~80年代に建設された既存浄水場の多くは、高速凝集沈殿池(スラッジ・ブランケット形)と圧力式ろ過池装置の組合せによる急速ろ過法が採用されています。しかし、同方式はシエラレオネの地方都市に導入する浄水方法としては、運転操作が難しく、運転費用が高いなどの問題があり、当時適切な運転管理が行われていたとは言い難い状況でした。本プロジェクトでは、この教訓と反省から、1高度な技術を使わずに運転管理ができる浄水方法とすること、2運転費用が安く住民が支払い可能な料金水準で給水サービスが提供できること、3住民が給水サービスの利便性を十分に認識でき、水道料金の支払い意思が形成できることに留意して施設の計画や設計を行いました。シエラレオネの地方都市のような高度な技術の導入が難しい場所での浄水方法としては、薬品を使用せず、微生物群(バクテリア)の働きによって水中の浮遊物質や溶解物質を処理する「緩速ろ過法」が最適だ写真4普通沈殿池薬品を使わない自然沈降により原水の懸濁物質の分離を行い、後続の緩速ろ過池にかかる負荷を軽減する写真5緩速ろ過池砂層表面に増殖した微生物群(バクテリア)によって水中の浮遊物質や溶解物質を処理するCivil Engineering Consultant VOL.264 July 2014029