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写真8住民説明会カンビア・タウンの13の地区で住民説明会を開催し、給水サービスや水道料金の支払に係わる説明、質疑応答などを行った写真9ラジオ討論会カンビア・タウンの地元ラジオ局を利用して水道の利用方法、水道料金の支払いの重要性などを住民向けに放送したいます。1年が経過した2014年2月に瑕疵検査のためカンビア・タウンを再訪しました。建設された給水施設は、毎日給水を行っており、その給水量や水質も計画どおりであることを確認しました。また、カンビア県立病院によると、カンビア・タウンでは毎年最大10人程度のコレラによる死者が出ていましたが、本プロジェクトの供用開始後は水因性疾病による死者は出ていないとのことでした。このような状況から、本プロジェクトの給水施設は、現在のところ計画どおりにその機能を発揮しており、カンビア・タウンの給水状況の改善と公衆衛生の改善に大きく貢献しているものと判断されます。るシエラレオネでは、スワンプは全国どこにでもあります。今後、他の地方都市でも本プロジェクトと同様に運転操作が簡単で運転費用の安い緩速ろ過法によって給水施設の整備が進むことが期待されます。一方、運営・維持管理組織の設立や料金制度、料金徴収体制の整備に当っては法律に基づいて行われる必要があると考えます。本プロジェクトのように関連する法律がない場合は、新たに法律を整備する必要があります。法律があればプロジェクトが終わって現地に日本人が居なくなっても、先方政府は水道事業の運営に必要な人材や資材、資金の配分を続けます。プロジェクトの「持続性」を確保するとは、このような仕組みをつくる事ではないかと本プロジェクトの実施を通じて感じたしだいです。■おわりに本プロジェクトは河川とスワンプの濁度と流量の季節的な変動特性に着目して、原水をこれらの水源から選択的に取水することで緩速ろ過法の弱点である原水濁度の問題を解決しました。また、シエラレオネで初めて本格的な緩速ろ過法による給水施設を建設し、同国の地方都市に導入可能な浄水方法であることを実証しました。多量の雨が降写真10啓発看板水道の利用や水道料金の支払いに係わる住民啓発のための看板(5.0×3.75m)をカンビア・タウン内7ヶ所に設置したCivil Engineering Consultant VOL.264 July 2014031