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Project 2 briefプロジェクト紹介茨城県鹿嶋市における津波避難対策山本英幸YAMAMOTO Hideyuki株式会社オリエンタルコンサルタンツ関東支店保全防災部門れない。■はじめにこのような背景を踏まえ、津波避032Civil Engineering Consultant VOL.264 July 2014茨城県鹿嶋市は、鹿島灘に臨む沿岸部は南北に長く、低地が広がっているため、東日本大震災時には津波により家屋倒壊や浸水、また漁港全壊などの甚大な被害を受けた。中でも市南部に位置する高松地区は、北公共ふ頭と鰐川に挟まれた低地が広がっている。そのため、東日本大震災の際に鹿島港を襲った津波は、浸水高5.6mに達し、北公共ふ頭のフェンスを破壊し、保管していたコンテナが地区内に流出し、この津波によって1人の尊い命も奪われている1)。また、平成24年8月に茨城県により公表された津波浸水想定2)においても、高松地区は広範囲に津波浸水範囲が分布している(図1)。難の課題等の抽出を目的として、高松地区において、人口分布や道路状況、歩行速度など詳細な条件設定による避難シミュレーションを実施し、以下に示す検討を行った。検討1.避難困難な地域の抽出検討2.防災公園の効果検証検討3.自動車避難の検討検討4.避難行動の啓発検討■避難シナリオの設定●発生時刻と避難開始時間の設定想定される津波の発生時刻は、以下に示す理由により、夜間の発災を想定した。・平成22年の国勢調査による鹿嶋市の昼間の推定人口は、夜間の1.076倍であり、顕著な増減がみら・高松地区は、比較的住居が密集した地域であり、住居からの避難行動が主要な課題となる。・避難速度や避難開始時間などの避難行動は昼間よりも夜間が遅れるため、夜間を検討することで包含されるものと考えられる。また、避難開始時間は、発災10分後に避難行動を開始3)するものとして設定した。●?避難者数及び出発地(発災時の所在地)の設定避難者は世帯単位で避難することを想定した。また、各世帯の避難開始地点(居住位置)は、地形図や空中写真等を参考に設定した居住位置において等分に配置した(図2)。また、検討対象範囲内の避難1根三田3佐田検討範囲354人(227人)61人(0人)4木滝112人(9人)5粟生141人(35人)2下塙212人/(164人)6国末267人(32人)9谷原347人(347人)10鰐川69人(69人)7泉川264人(248人)8長栖688人(688人)図1高松地区の津波浸水想定図図2高松地区の避難者分布