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者数及び世帯数は、鹿嶋市ホームページに掲載されている平成25年9月時の統計データより設定した。●目的地点(避難場所)避難の目的地点は、津波浸水区域の外側に位置する避難地点を網羅的に結び設定した津波浸水想定区域の境界(道路)を避難地点として設定した。●避難経路と幅員の設定避難経路は国道、県道、市道を対象とした。避難者が通行可能な幅員は、自動車の通行や建物倒壊等を考慮し、道路幅員の1/2程度とした。●歩行速度の設定夜間における歩行速度(健常者)は、東日本大震災の実績値3)の昼間の歩行速度に対して、80%に低下するものとして設定した。夜間の歩行速度=0.59 m/s(0.74 m/s(昼間)×0.8)なお、4車線道路である県道や国道を避難者が通過する際は、25秒間のロスタイム4)を設定した。また、避難要援護者を対象とする場合は、0.32m/s(高齢者の単独歩行速度の最低値(0.4m/s)5)×夜間の歩行速度の低下率80%)と設定した。●避難速度の設定避難者が過密状態になった場合の歩行速度の低下は、下式を用いて計算した。?? Vi( 0 ?ρ<ρi)vi= ?-11.8ρ? 0.3 (ρi?ρ< 6.0)?? 0 (ρ? 6.0)ここでVi:属性iのエージェントの自由歩行速度r:歩行者前方の密度(n/LW)L:前方監視距離(6m)W:避難路の幅員n:前方監視距離内に存在する避難者の数なお、前方密度算出時の対象範囲に自動車の避難者が存在する場合は、自動車1台あたり歩行者エージェント10人分として前方密度を算定した(図3)。●自動車の走行速度の設定自動車の最大自由走行速度(Vf)は、下式に示すとおり道幅(w)に依存して決定した。Vf? Vma x? [tanh( w ? 2) +1] (0 < w)= ? 2?? 0 (w = 0)ここでVmaxは自動車の最高速度を表し、今回のシミュレーションでは9km/h 6)とした。なお、自動車の避難シミュレーションでは、前方車両の混雑度による移動距離の低下を考慮している。●経路選択避難者エージェントの避難経路は、それぞれの発生地点から設定された目的地点までの避難経路の中で、距離が最短となる経路とした。発生地点から目的地点までの最短経路の設定にあたっては、ネットワークの最短経路探索アルゴリズムとして一般的に知られているダイクストラ法を用いた。道幅W図3前方密度算出イメージ■避難シミュレーションの■モデルの構築避難シミュレーションモデルは、ネットワーク歩行型マルチエージェントモデル(実時間の1秒がシミュレーション時間の1ステップ)を採用し、茨城県より入手した津波シミュレーション結果との重ね合せが可能なモデルを構築した。また、シミュレーション上の移動体を避難者エージェントとして設定し、各避難者エージェントには「避難開始時間」「出発地(発災時の所在地)」「目的地(避難場所)」の属性情報を境界条件として設定した。■想定される津波の種類平成24年に茨城県が検討した最大クラス(L2)津波のシミュレーションは、茨城県房総沖を震源とした「1 L2H23想定津波(茨城県2012)」と東日本大震災の再来を想定した「2 L2今次津波(東北地方太平洋沖地震津波)(内閣府2012)」を対象としている。上記2ケースを対象に検討したが、今回の報告では津波到達時間が早い前者を対象とした検討結果を示す。前方監視距離L車(歩行者10人分)Civil Engineering Consultant VOL.264 July 2014033