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国際委員会だより【第17回】Message from International committee実践的海外プロジェクト4?やりがい、そしてコミュニケーション力?国際委員会浦元啓│URA Motohiro建設コンサルタンツ協会の「海外市場対応能力の支援」の一環として、国際委員会から海外業務を紹介する記事を継続して掲載しています。今回は、「国内技術者が海外事業に携わり感じたこと」をテーマに、国内業務と海外業務の違いや海外業務の魅力について、現場で活躍しているコンサルタントの声をお届けするシリーズの第4回です。?インタビュー対象者プロフィール対象者:市川真吾(Shingo ICHIKAWA)(34歳)所属:日本工営(株)コンサルタント海外事業本部専門分野:海岸保全計画事業ステージ:計画・調査経験年数:国内6年、海外2年海外業務実施国:バリ、ツバル、モーリシャス?インタビュー内容市川さんは、アメリカの大学院を修了し、社会人になってからは、当初、札幌でコンサルタント業務に従事し、その後東京に異動して国内業務だけではなく海外業務にも携わるようになりました。約2年前より本格的に海外業務に携わることなり、これまでツバルやバリ島などの島しょ国にて、主に調査業務に従事しています。海岸に関する仕事に携わりたいと語る市川さんにお話をお伺いしました。Q1.海外業務をやりたいと思ったきっかけは何ですか?A1.海外というよりは、まず大学時代に学んだ海岸工学に関する仕事をやりたいと思っていました。海岸浸食に対する考え方について日本と欧米の違いを知り、また、海岸浸食で困っている海外諸国に養浜等を通じた自然浜の再生方法を提案したいと思ったことが、海外業務への関心を持つきっかけでした。Q2.ツバルといえば地球温暖化の影響で水没が懸念される国ですが、どのようなプロジェクトだったのでしょうか。A2.ツバルはサンゴ礁からなる島で、最高標高がわずか5m程度という低地の国です。サイクロンだけでなくサンゴ礁内の内海の波浪浸食による砂浜の減少は、そのまま居住地の減少に直結する非常に重要な問題です。私が参加したのは、自国で処理・解決できるようにするための技術移転のパイロットプロジェクトです。インフラ整備が目的ではなく、現地の人に「できる能力」を身につけてもらう「能力向上」を目的としたもので、日本などの援助国がただ施設などを作るだけではなく、将来的にツバル国内で計画・施工し、維持管理していけるように、延長数kmある海岸線のうち約200mの区間を対象に調査し、試験施工計画を策定しました。Q3.実際にツバルに行って苦労した点や感想などをお聞かせください。A3.現地の人たちの理解を得るのに苦労しました。これまで海外援助による事業がいくつかなされたのですが、あまりうまくいかなかったようで、不信感を持っていました。また、能力向上プロジェクト<プロジェクト概要>ツバル国フォンガファレ島の高潮・海岸浸食(気候変動によるリスクも含む)に対し、島本来の姿である礫と砂から構成されている海岸を養浜により復元する対策工法を立案。砂の形成・堆積メカニズムの研究に対する支援や礫養浜による沿岸災害対応のためのパイロットプロジェクトと研修等の実施により、海岸浸食対策・災害対応能力強化等に資する支援を行う。052Civil Engineering Consultant VOL.264 July 2014