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特別企画JCCA×JIA両会長対談「美しい国づくり」をみんなの力で?土木と建築が手を携えて進めよう?大島一哉OHSHIMA Kazuya(建設コンサルタンツ協会(JCCA)会長)芦原太郎ASHIHARA Taro(日本建築家協会(JIA)会長)建設コンサルタンツ協会(JCCA)の「美しい国づくり専門委員会」は、2004年に日本建築家協会(JIA)との共同宣言『「美しい国づくり」をみんなの力で』を受けて、その年に発足しました。その後、2 0 0 9年からはシンポジウムの開催を協働で行い、2014年までに合計6回の協働シンポジウムを開催しました。そして、震災復興及び2020年の東京オリンピックの開催を鑑みて、新たな目標と協働の意義を確認し、設計・コンサルタント業務の重要性を発信する必要があると考えました。そこで、一般市民に広く社会資本の重要性を理解いただくため、土木・建築の枠を超えた都市や街づくりを推進するべく、両協会協働で基本的な考え方を整理して、会長対談を行うことにより今後の行動の方向性を示唆し、建設業界における設計・コンサルタント業務のプレゼンスを発信することにしました。また、継続して協議する体制や行動の具体的な実践の方法等の確認も行います。2020年の東京オリンピックに向けて――1964年の東京オリンピックの時は、日本は高度成長期にさしかかるところで、東海道新幹線や高速道路、東京モノレールなどができました。それから50年経って、いま日本はどのようになったのでしょうか。美しい国になったのでしょうか。それを世界に見せるのが次回の東京オリンピックの大きな目的かもしれません。それには両協会で協働しなければならないと思いますが、いかがでしょうか。大島東京でのオリンピックは2回目になります。1回目は日本が戦後の復興を経て、これから発展・成長していく姿を世界の人たちに見せようというねらいがあったと思います。私は、その時はまだ高校生でしたが、その当時の土木を担っていた人たちは、おそらくそういう気概を持っていたでしょうし、成功を喜んだでしょう。そう考えると、果たして今度のオリンピックでは、いったい何を世界の人たちに見てもらい、評価してもらうのか、あるいは訴えるのかが大事ではないかと思います。早くそれを国民みんなが共通のものとして持つ必要があるのではないでしょうか。オリンピックまでの期間は短いですが、努力をする必要があります。そのなかで、我々に何かできることはないだろうかと考えています。いまのところ、一番お金がかからず簡単にできることは「おもてなし」です。これまで、両協会で「美しい国づくり」というテーマでいろいろと議論してきました。例えば、何か新しい姿やテーマを出して、それを国民の皆さんに訴えるとか、すぐ形にするのはなかなか難しいですが、完成途中の姿であっても、世界から日本にいらっしゃった方々に、感じてもらう「何か」が必要ではないでしょうか。それを評価してもらえば、我々も元気が出ますし「じゃあ、続けていこう」となります。いろいろと皆さんのご意見をうかがって、具体的な行動に移すことが必要と思います。芦原まさにオリンピックというのは非常にいい機会ですね。1964年の東京オリンピックの時、僕は中学2年生でした。代々木競技場の脇で地元中学生として国旗を掲揚したことを覚えています。当時の東京はまさしく高度成長期で、これからすばらしい都市ができていくのだろうなという期待感がありました。まさに『三丁目の夕日』の時代でした。普段「美しい国づくり」と僕たちが一所懸命に言っても、市民の人たちになかなか理解してもらえません。世界からお客様が来る時には、日本人はやはり「国」を意識しますし、オリンピックでは日本を応援しているわけですから、「日本は美しい国をつくっていくんだ」と訴えるのには絶好の機会だと思います。054Civil Engineering Consultant VOL.264 July 2014