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図3気走管(チューブ)列車の駅だが、明治10年頃に進化論ならびにスペンサーの社会進化説を知ると、思想的な立場を大きく変更することになった。加藤は近代法の根幹をなす思想である「自然法」の理念に基づいて天賦人権論を唱えていた。しかし自然がすべての生命の平等の権利ではなく、優勝劣敗の競争で成り立っているなら、人間社会もまた自由競争による社会進歩を受け入れなくてはならないと考えた。そのうえで加藤は、どうすれば日本人が競争で生き残れるかに関心を強めていくことになる。そして日本が近代化を急いで推し進めるためには、中央集権を強め、或る程度の私権制約もやむをえないと考えたのだった。そんな加藤には、『二百年後の吾人』(明治27年)という著作があり、未来の様々な困難を想定し、その苦難に対抗する社会制度や科学技術に思いを馳せている。例えば次の一文は、エネルギー危機に関する考察だ。〈石炭は地層発達の第一代石炭紀の遺物にして後代更に新に生ずべきものにあらざれば決して無尽蔵と称すべからず(中略)石炭の欠乏するに至るときは山岳より洋海に注入する流図4空に浮かんだホテル008Civil Engineering Consultant VOL.265 October 2014