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写真1 FULL CONTROL TOKYO増上寺で行われたイベント。スマホからプロジェクションマッピングに参加する事ができ、スマホを使って東京タワーの色を変える試みも行われ、その様子がCMとなったば、公民館を計画した時代があった。しかし、今ではデジタル上のソーシャルネットワーク(SNS)を使えば同じ趣味をもった人と出会い、意見を交換し、コミュニティーを形成することが出来る。これは極論ではあるが、果たして建築家や都市計画の分野ではそれが考えられているだろうか?過去10年余りのスマートフォンを始めとする端末の一般化やネットインフラの整備により人のあり方や、価値観、コミュニケーション方法などが大きく変わった事を建築は包含しているであろうか?建築はそれによってアップデートされているだろうか?テクノロジーはこれからもまだまだ沢山の様式や行動を変えると思われる。その変化を都市レベル・建築レベル・空間レベルで向かい合う事は急務と私は考える。ネット上のショップ(イーコマース)が発展し、実店舗を持たずに小さなショールームだけを持ち、そこで商品を確認してもらい購入はオンラインというブランドも出て来た。そんな時代だからこそ出来る建築空間を考えても面白い。その他デジタルテクノロジーは建築や都市をどのように変えているだろうか?例えばマーケティング手法が大きく変わっている。人がどのような思考をし、どのような消費行動を取るか、それがクラウド上にストアされたポイントカードやソーシャルネットワークの分析によって割り出されている。建築物を建てる理由を見つけるのもこの手法がとられている場合が有る。さらに建築の設計スピードや施工スピードもCADや3Dプリンター・レーザーカッターというテクノロジーによって劇的に加速している。また、多くのインフラはデジタルテクノロジーによって効率的に制御され、世界に誇る都市構造が出来始めている(はずである。※個人的に建築の業界から離れて長いのであくまでも予測ですが…)。こういった様々な進化は加速しているとはいえ、テクノロジーと建築の距離はまだ遠い。このような建築にかかる時間によって起こる時代とのギャップは極力埋めるべきでも有るが、逆に今までの実空間としての建築や都市のあり方はその状況を踏まえた上で独自の進化をすべきだと思っている。というのは、やはり人間はデジタル上に存在するドッペルゲンガーでは無く、あくまでも物理的に存在する。デジタルはあくまでもその上での利便性や合理性をもたらすための技術であり、デジタルに依存しすぎてしまうとコミュニケーションも技術も破綻してしまう。その事をよく考えた上でデジタルを上手く利用したいものだ。建築家や都市設計家はすでに従来の設計業務だけやっていても駄目な時代がもうすぐそこまで来ている。もっと広い視野や知識を持ち、マーケティングや様々な時代の様相を見た上で有るべき空間をその時代の表現で実行すべきだと思う。Civil Engineering Consultant VOL.265 October 2014011