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が多いが、スマートフォンやタブレットなど身近にデジタルが普及した今だからこそ、近い将来デジタル技術を使って限られた近隣地域内で出来るコミュニティー形成の方法が確立すると思う。現在、仙台市営地下鉄東西線の2015年開業に向けてのプロジェクトに参加しているのだが、まさにチャレンジしているのがこのデジタルを使ったコミュニティー形成・コミュニケーションである。13の駅が東西14.38kmにわたって建設されるのだが、私が研究開発しているのはこの路線沿線の人を中心とした新しいコミュニケーション方法で、昔よく有った「醤油を借りにいく」感覚で使える様な端末・インフラを実現すべく設計をしている。例えば、「みかんが食べきれないほど庭に出来てしまったのだが、誰かいる人はいませんか?」「ベビーカーを捨てようと思うのですが、捨てる前にだれか欲しい人いませんか?」「こんなアイディアが有って、それに賛同してくれる人・出資をしてくれる人はいませんか?」など実際にパズルのピースを合わせるべくスマートフォンやパソコン、特別に設置される端末からその情報にアクセスできる様な事をしている。結果的に様々な効率化が図れるとともに、何よりも新しい人と知り合う事が出来るツールになれば良いと思っている(写真3)。「2020年東京は、日本はどうなっているのか?」様々な業界が2020年の東京オリンピックに向けて急速に走り始めた。その一番先頭を走っているのは、建築や都市、土木で有ろう。前回のオリンピックで急いだがために掛け違えたボタン。今回は慎重にそして迅速に進んでいる事を願っている。東京オリンピックは「東京」とタイトルについているが、これは日本のオリンピックであり、今回日本に課せられた課題はどのようにして日本を一つに出来るかだと個人的に思っている。デジタルも空間も上手く融合しながら建築→都市→写真3 WE TUBE(WEは東西線のwestとeastの頭文字を取ったプロジェクト名)仙台地下鉄東西線の開業に向けて新しいカタチのコミュニケーションを生み出す装置国をこの歴史的な祭典で一つにする様な事が出来たら、新しい日本のあり方を世界に発信出来るとともに、何よりも日本人にとって効率のよい日本が出来ると思う。そのためにも、建築業界の小競り合いの様な時間の無駄は省き、様々な分野のエキスパートを取り入れ、新しい都市や国のあり方を綿密に議論した上で、実施に向けていち早く動き始めてもらいたいものだ。<写真提供>写真1aubyKDDI「驚きを、常識に。」キャンペーン2012?2013写真2 磯崎新「都市ソラリス」展@ NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)2014Civil Engineering Consultant VOL.265 October 2014013