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特集インフラの未来?どうなっている・どうなってほしい・我々の未来予想図?5未来の交通インフラ?現在、過去、そして未来?新誠一SHIN Seiichi電気通信大学情報理工学研究科/教授インフラの未来。それは利便性を求める人の思いとともに社会的技術的背景がある。船・鉄道から自動車へと普及した交通インフラは、なぜこのような変遷をたどったのか?そこから見える未来の交通インフラはどんなかたちになるのだろうか…?石油時代の終焉未来の予測は難しい。しかし、現在を押さえた上で過去を学べば未来が見えてくる。現在を見るのが初級、過去を見るのが中級、そして未来を見るのが上級である。まずは初級、現在を見てみよう。燃費の良いエコカーの進展にともなってガソリンスタンドは廃業しつつある。そして、シェール革命と言われるメタンガスの台頭が石油精製や石油化学業界に大きな変革を要求しつつある。もちろん自動車メーカーも内燃機関を捨てつつある。現在は、石油時代の終焉に位置づけられる1),2)。もう少し過去を振り返ると、この100年間は石炭から石油へエネルギー転換が進んだ時代があった(図1)。太平洋戦争は日本への石油禁輸が引き金の一つになった。1941年12月8日にはハワイのパールハーバーに停泊している石炭を動力とする戦艦を石油で動く航空機で攻撃した。逆に、1945年4月には沖縄戦に向う戦艦大和が米国の航空機に撃沈された。さらに遡ると、1853年に蒸気船2隻を含む黒船4隻が三浦半島の浦賀に来航した。蒸気船は現在の東京湾を溯って測量を行ったそうだが、ここは江戸城のお膝元である。国内には風任せで動く帆船しかなかった時代だ。蒸気船が攻め上がれば、正に王手。結局、江戸幕府は300年の鎖国を解かざるを得なくなった。このように、エネルギーの変化は大きな社会インフラの変化を及ぼしてきた。そして現在、石油からガスへのエネルギー変化のエッジに立っている。それを踏まえて、インフラの未来を交通システム中心に探って行こう。エネルギー革命蒸気機関は産業革命を代表する発明である(図2)。情報の変遷独占共有公開エネルギーの変遷石炭石油メタン材料の変遷金属無機物有機物図1 ?基盤の変遷図2 ?蒸気機関024Civil Engineering Consultant VOL.265 October 2014