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図3 ?発売予定の燃料電池車(http://newsroom.toyota.co.jp/jp/detail/3274916)この時代、機械はエネルギーを内包して支配下に置いた。蒸気船に並ぶ石炭エネルギーの象徴が蒸気機関車である。黒船で再度来航したペリー提督が15代将軍徳川慶喜に機関車のミニチュアをプレゼントしたと言われている。その蒸気機関車が街を変えた。新橋~横浜間の開業に続き日本国中に線路網が展開され、市民は「駅から駅」の利便性を味わった。それを受けて街は変わった。ターミナルと呼ばれた鉄道の起点駅にデパートが作られた。終点駅にはリゾートやベッドタウンが形成された。東京で言えば、東武線、西武線、京王線、小田急線、東急線、京成線などであり、大阪では阪急線、阪神線、南海線などである。このころの楽しみは給料日後のデパートへのお出かけ。そして、大食堂で食べるソフトクリームであった。石油の時代に入ると自動車により「ドアからドア」の利便性が提供されるようになった。鉄道貨物からトラック輸送に流通は変化し、宅配便が急成長することになった。街も変わった。駅前の商店街がさびれ、バイパス沿いの大規模ショッピングセンターが隆興した。家族を乗せたミニバンで駐車場のあるショッピングセンターに乗り付け、子供は映画、女性はショッピング、男は運転手と荷運び。そして、昼食は皆で好きな物をフードコートで味わうという生活に変わった。いわゆるモータリゼーションである。確実に便利に、柔軟に、きめ細かくなっている。さて、現在はガスへのエネルギー革命が始まっている。数十年前から油田からガス田に開発の主体は移っている。原子力発電が停止している日本では電力はガス発電に頼っている。自動車はハイブリッド車や電気自動車と、石油時代の内燃機関を少しずつ捨てつつある。低燃費車の隆興はガソリンスタンドと呼ばれたサービスステーションを淘汰しつつある。ガスの時代、交通インフラはどのように変わり、街はどうなっていくのか。それが未来である。未来の交通インフラ現在、燃料電池車がトヨタ、ホンダ、日産から提供されている。リースながら販売までしているのは、世界でこの3社だけである。未来エネルギー先進国日本である。何故リースかというと、1,000万円を超える価格と燃料電池の信頼性に難点があるためである。もちろん、水素供給ステーションが未整備という難点もある。難点はともかく、いずれも既存のハイブリッド車のガソリンエCivil Engineering Consultant VOL.265 October 2014025