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消波ブロック(既設)移植サンゴを固定した被覆ブロック図3移植サンゴを固定した西防波堤背後の被覆ブロックしまう。・サンゴを水中ボンドで基盤表面に固定しても、その自重で転倒してしまう。・サンゴを別の場所に移植しても、環境特性の変化に適応できずに斃死する可能性が高い。■移植先の選定移植サンゴの生残率ができるだけ高くなるように、以下の条件を満足する西防波堤背後(図1)を移植先に選定しました。・現生息地の近傍に位置する。→移植サンゴ自体が運搬によって受けるストレスを最小限に抑えることができる。・波の影響を受けにくい。→移植サンゴが波によって剥離することを最小限に抑えることができる。・現生息地と同様な3~10mの水深帯である。→環境特性(特に水中光量)の変化を最小限に抑えることができる。・被覆ブロックが存在する。→コンクリートは他の材料に比べて群体サンゴが固着しやすいため、移植サンゴの基盤への固着率を高めることができる。・被覆ブロックの表面には、群体サンゴがあまり生息していない。→移植サンゴ間の相互干渉(被覆、攻撃等)を抑制することができる。■移植作業移植作業は以下に示す手順に従って平成19年1月に行いました。全部で304群体(39種)の移植サンゴを採取し、西防波堤背後の被覆ブロック表面(図3)に固定しました。手順1:移植サンゴの採取(図4)・バールやタガネ、ハンマーを用いて、破損しないように移植サンゴの基部を基盤から引き剥がす。・採取した移植サンゴを網袋(0.5×1.0m)の中に入れてコンテナ容器に収容する。・コンテナ容器を船の舷側まで運搬し、海水面上に出ないようロープで固定する。手順2:移植サンゴの運搬(図4)・コンテナ容器から移植サンゴが飛び出さないように船舶をゆっくり航行させ、コンテナ容器を移植先まで運搬する。・移植サンゴを固定する被覆ブロック周辺の海中にコンテナ容器を沈める。手順3:移植サンゴの固定(図4)・スクレーパーを用いて、被覆ブロック表面の付着物等を取り除く。・海中で、水中ボンドの本剤・硬化剤を1:1の割合で混合してよく練り上げる(握り拳程度の大きさ)。・水中ボンドを被覆ブロック表面に押し広げる。・移植サンゴの基部を水中ボンドに押し付け、被覆ブロック表面に固着させる。ここで、同一の被覆ブロックに複数の移植サンゴを固定する場合には、相互干渉(被覆、攻撃など)を避けるために最低50cm程度の間隔を設ける。■事後調査移植サンゴの成育状況を確認するための事後調査を平成19年5・11月、平成20年6・11月、平成21年6・11月及び平成22年8・11月に行いました。移植サンゴの生残率は、平成19Civil Engineering Consultant VOL.265 October 2014031