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ため、3FまでのSRC造を薄板軽量形鋼で組み、2Fを吊り構造のデッキスラブとすることで、2F床の梁高を200mmに抑え1Fの天井高を確保した。(図5)●機械式部分の構造的処理通常の機械式駐輪場は1層部分から格納庫が設けられるが、本施設では格納庫が4層以上となるため、格納庫高さに1~3層部分を加えた23mの長大な搬送シャフトが必要であった。機械式を手掛けるメーカー2社にヒアリングを繰り返し、駆動装置やピット深さの限界値も含め実現可能性を確認した。駐輪機設備を格納する空間のため、3Fは10本の鋼管柱(φ300mm)に鉄骨フレームを載せる構造形式とした。●外装デザイン「サイクルステーションとりで」は交通結節点という土木と建築とが融合した施設であることを意識し、SRC造部分を打放しコンクリートとするとともに、コア部分は石垣パターンが浮き彫りされた黒いコンクリートパネルを化粧型枠により実現した。格納庫は耐火性や軽量性、敷地横を走る鉄道からの飛来鉄粉からの保護やコストパフォーマンスとの兼ね合いも考慮し、高耐食性亜鉛メッキ(ZAM)鋼板を使用した。■おわりにこれまでの多くの自転車駐車場は、単に自転車を駐輪する機能を最優先した施設であった。一方で、自転車が環境性に優れた交通手段であることに着目すると、駐輪場は駅や空港と同じ公共性の高い空間ととらえることもできる。本プロジェクトは自転車駐車場の持つ公共性に着目し、「まちづくりの顔」としての新たな公共空間を創り出すことに写真5屋上広場での竣工式(平成26年3月28日)挑戦したものである。取手駅西口は区画整理の過渡期とはいえ、街のにぎわいを失いつつあった。本施設が自転車から始まる街の活性化の契機となる事を期待している。<関連情報>「新建築」2014年5月号「GA JAPAN」MAY-JUNE/2014<基礎情報>建築主/茨城県取手市設計・監理/統括:株式会社オリエンタルコンサルタンツ、建築:株式会社16アーキテクツ・小石川建築/小石川土木、構造:小西泰孝構造設計、設備:ZO設計室、照明計画:リップルデザイン施工/淺沼・赤塚特定建設工事共同企業体他3F高さ制約ペデストリアンデッキとの連絡2F天井高確保桁下高さ制約1F天井高確保B1天井高確保F鉄道側敷地との連絡B1FLの制約図5断面図Civil Engineering Consultant VOL.265 October 2014037