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Project 3 briefプロジェクト紹介原発事故に伴う避難自治体の復興に向けたまちづくり支援星田康臣HOSHIDA Yasuomi日本工営株式会社コンサルタント国内事業本部インフラマネジメント事業部/都市・交通計画部技師浅見晃菜ASAMI Akina日本工営株式会社コンサルタント国内事業本部インフラマネジメント事業部/都市・交通計画部技師■はじめに平成23年3月11日の東日本大震災にともなう福島第一原子力発電所事故発生により、双葉郡をはじめとする福島県東部(浜通り)の自治体の住民は避難を余儀なくされ、平成26年6月現在においても10市町村、約8万人の住民が避難生活を送っている。当社は福島県浜通り地域の復興に向けた支援を多く行ってきた。本稿はそれらのうち、福島第一原子力発電所から約10kmに位置する富岡町の復興に向けたまちづくりに対するこれまでの支援の取り組みを記す。■富岡町の概要双葉郡富岡町は、福島県浜通りのほぼ中央部に位置する面積約69km 2、人口約1.6万人(平成22年国勢調査)の町で、町域の西半分は山林で占められ、東側は太平洋に面している。町内には商業施設や病院のほか、福島県の出先機関等が集まり、主に双葉郡南部の行政や経済の中心としての役割を担っている。かつては農業を主産業としていたが、昭和40年代に当町の約10km北方の海岸部に福島第一原子力発電所が、昭和50年代に当町南東部と楢葉町にまたがる海岸部に福島第二原子力発電所が整備されたのを機に、東京電力及び関連企業で働く町民が増加し、町の産業構造は大きく転換した。これら2つの原発の立地により、双葉郡は首都圏への電力の一大供給基地となった。■被災及び避難の状況平成23年3月11日14時46分、マグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震が発生し、富岡町は20mを超える津波に襲われ、25名の死者・行方不明者を出した。さらに、翌日には福島第一原子力発電所事故が発生し、当町は全町避難を余儀なくされた。多くの町民は、郡山市の複合コンベンション施設「ビッグパレットふくしま」に開設された避難所で生活し、町役場も当施設内に置かれた(同年12月に郡山市大槻町に移転)。同年8月末の避難所閉鎖後は、郡山市、いわき市などの応急仮設住宅への移動等が行われた。一方、民間住宅を都道府県等が借り上げ、それらに入居する町民が多く存在図1 ?富岡町の位置と避難指示区域の概念図(H26.4.1現在)写真1富岡町の津波による被災状況(左:JR富岡駅、右:富岡漁港及び海岸部)038Civil Engineering Consultant VOL.265 October 2014