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OVERSEASPhilippines─フィリピン共和国─海外事情フィリピン・ブトゥアン滞在記野仲真司NONAKA Shinji基礎地盤コンサルタンツ株式会社/本社/新エネルギー開発部ミンダナオ島へ2013年11月から2014年3月までの5ヶ月間、海外業務研修のためフィリピン共和国はミンダナオ島のブトゥアン市に滞在した。研修の前に何度か短期出張で訪れたことはあったが、ミンダナオ島は現在も紛争が続いている地域であり、長期滞在して果たして大丈夫なのだろうかと不安に思いながら現地に向かった。それでは、長期滞在中の出来事を中心にブトゥアンついて紹介していこう。ブトゥアンの地理とミンダナオの歴史ブトゥアンはフィリピン共和国の最南にあるミンダナオ島の北東部に位置する。気候は熱帯に属し、年間を通じて最低気温23℃前後、最高気温は30℃前後と常夏ではあるが海に近いこともあり、東京の夏より涼しく感じられた。3~9月位までが乾季、10~2月位までが雨季であるが、年間を通じて雨は多い。人口は3万人ほどだが、中心街は活気に溢れている。中心街から少し離れると田園風景が広がり、掘っ建て小屋が目につく。田園風景は日本の田舎を思い起こさせてくれるが、掘っ建て小屋で暮らす人々を見ると貧富の差を痛感せずにはいられない。ミンダナオ島、特に西部ではフィリピン政府とモロ・イスラム解放戦線との間で約40年前から紛争が続いており、一般市民が犠牲になることもある。そのため開発が遅れ、フィリピンの最貧困地となっている。そういう一面を持っているだけに長期出張は不安であった。帰国した2014年3月、両者は包括和平合意書に調印し、和平へ向けて進展した。図1ブトゥアンの位置図公用語フィリピンの公用語はタガログ語と英語である。ただし、フィリピンは7,100以上の島からなり、島によって言語が少し異なる。その一例として、ブトゥアンでは主にビサヤ語が使われている。アメリカが統治し046Civil Engineering Consultant VOL.265 October 2014