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写真2入園した現地保育園A2.上司は賛成してくれました。体調を優先し、遅刻や休暇等の連絡は事後になっても構わないとの許可をいただいたことは、精神的に楽になりました。また、この業務はJICA案件でしたので、チームメンバーに加え、事前に東京と現地のJICA事務所に伝えました。Q3.今回の出張は「人材育成・社会インフラ改善事業支援」でしたね。生後数ヶ月のお子さんを帯同して、現地業務中はどうされましたか。A3.現地の保育園に入園させましたが、激しく泣いたので、主にベビー・シッターさんに預かって頂きました。Q4.渡航中や現地での仕事中でお子さんに関して準備したこと、努力したこと、苦労したことなどについて教えて下さい。A4.荷物は予め空港に送り、当日は抱っこして空港入りし、空港のベビーカーを利用しました。移動中は荷物が多く、一人では物理的に困難な場面がありましたが、その際は声を出して周りの人に協力をお願いしました。2回目の帯同時は離乳食期でしたので、日本から離乳食を持参しましたが、“郷に入れば郷に従え”と、現地のパン、果物、野菜などで離乳食を作りました。スプーンやナイフで切ったり、潰したりして作った自家製の離乳食です。野菜も熱湯で湯通しして使いました。結局日本から持参した離乳食は一度も使いませんでした。また、息子が指しゃぶりをしているのを見て「ノー・グッド」と何度か指摘された際は、現地のやり方に倣い、早々に「おしゃぶり」を購入して使用しました。日本に加え、ヨルダンの育児方法にも触れることができたことは有り難く思いました。また、業務で確実に成果をあげることが、子供と接する私の精神面にも良い影響を与えると考え、活動時間の長短に関わらず、確実に成果をあげるよう努めています。これは出張中に限らず、出産後、仕事を続ける上で常に意識しています。Q5.仕事と育児の両立に必要なものは何だと思いますか。A5.本人のビジョンと意思だと思います。自分は職業人としてどうなりたいのか、子供にどう育って欲しいか、その為にどのような母になるのが望ましいかなどを具体的にイメージし、成し遂げたいことに優先順位をつけました。また、一般的に仕事と育児の両立において、その大変さに焦点が当てられがちですが、私はあまり悲観的には感じていません。その理由は、環境を楽しんでいるからです。子供を出産したことで、時間的に制限が生じますが、それにより仕事の効率化を覚えました。また、子供は予測不可能な事態を招き、予定通りに進まないことが多いですが、この対処方法は、仕事にも充分応用できると感じました。私は、1年の育児休暇を取得して、子供と二人でいるより、さまざまな人々と触れ合う環境の方が我が子の成長に良いと思い、産休後はすぐ復職して、保育園や地域のグループ保育を活用しながら子育てをすることにしました。あまり前例をみつけられず、今も手探りですが、仕事も子育ても楽しく、子供と笑顔で向き合える日々は大変充実しています。?まとめ開発コンサルタント業界における海外出張は、多くが途上国であるため、小さなお子さんの帯同は必ずしも実現できるとは限りません。業務内容、職場と生活の環境によっても事情は異なるでしょう。しかし、核家族の母親が仕事を続けていくためには、帯同を視野に入れざるを得ないケースが増えてくると思います。実現するための課題は多いですが、本人と企業双方の協力の上、実現のきっかけになりましたら幸いです。Civil Engineering Consultant VOL.265 October 2014055