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乙幡啓子OTSUHATA Keikoプロフィール1970年群馬生まれ・東京在住。ニフティ「デイリーポータルZ」、雑誌「季刊レポ」に脱力系工作記事を連載中。著書「妄想工作」「乙幡脳大博覧会」「笑う、消しゴムはんこ。」絶賛発売中。また妄想工作所名義で「ほっケース」「スペース・バッグ」などの雑貨製作・企画も行う。http://mousou-kousaku.com/ドールハウス(乙幡啓子作)は、後年ほとんど現実となったわけだ。時代を下り、昭和3 0年代初頭の未来図には「透明ドーム、吹き付け服」の突飛な世界が現れる。これらの実現化は現代でもまだまだ先の話だ。しかし「壁掛けテレビ」は今やあっても驚かないものになっているし、「電送新聞」はスマホなど形を変えて実現していると言ってよい。未来図を描いた当時の人たちにも、これら突飛な道具の実現の可能性はわからなかっただろう。技術的な予測はできたかもしれないが、そこは少年向けの雑誌、大きな夢を思い切って増幅して誌面に投影してみたはずだ。そんな中から少しづつ本当に俎上に載せられ、熱意ある人たちによって具現化してきたのだろう。あの頃、ブラウン管テレビ全盛の時代にはまったくの夢物語に近かった「壁掛けテレビ」が今こうして電気店で普通に並べられているのも、元はといえば無邪気に絵に描いて表現してくれた人たちのおかげなのかもしれない。そして今や「吹き付け服」までも研究され、テストされているという。言ってみる(描いてみる)もんだなあ。「合格!」や「やせる!」などの目標を紙に書いて壁に貼っておくと達成率が上がるとか、目標の体型などの写真を貼っておくとそれに近づきやすい、とかの話に通じるものがあると思う。逆に彼らが、こんなこと夢想してちゃダメだ、人になんと言われるかなどと萎縮していたら、たくさんのものが形にならないまま終わっていたかもしれない。自分はよく人から「皆が考えてはいたけど作ったりしないもの」を実際作ってしまうのがすごい、と言われることが多い。工作の腕がいい、というより「アホなものを本当に作っちゃったかこの人は!」という意味で驚かれる。それはそれで誇りに思う。やりたいことはどんどんやってみたり、表現してみたりするほうが、周囲も巻き込んでいって面白いことになることが多い気がする。もし夢があるのなら、その次の段階はそれを「何らかの形で外に出してみる」ことではないかと思っている。Civil Engineering Consultant VOL.265 October 2014005