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概要

Consultant266号

アメリカ・カリフォルニア州南部、ロサンゼルスから東に車で1時間ほどのモンロビアという町で生まれた。4万人ぐらいしかいない小さな町は、乾燥地域にありながら小さな川が流れており約1 3 0年前に人が住むようになった。ほどなくして、僕の先祖も北西部のミネソタからこの暖かい町に移り住んだ。祖父は上下水道関係のシビルエンジニア。北部のコロラド川からカリフォルニア南部までの運河、アクアダクトの仕事もしていた。父は消防士。山火事が起こると消火活動で3 ? 4日いなくなる。真っ黒になって帰って来てはシャワーを浴び、また出かけて行った。だから、水の大切さは小さい頃からよく知っている。その頃のモンロビアの宅地は畑も作れる広さで分譲されていた。そして「道路沿いには何かしらの木を植える」という決まりがあった。今ではポプラアベニューやマグノリアアベニューなどの、植えられた木の種類が通りの名前となっている。昔の航空写真と比べると、乾燥地帯にありながらジャングルのような緑豊かな町となった。モンロビアの町のシンボルになっているのが、母校モンロビア・ハイスクールの建物。1 9 3 0年代の真っ白な二階建てで、前は芝生、後ろは山。大きなベルタワーの音は授業開始の合図。古い造りのまま残る学校で、映画の撮影にもよく使われる。カリフォルニアで歴史的建造物があるのは、港のあるサンフランシスコくらいだ。サンフランシスコは捕鯨で栄え、ゴールドラッシュで発展した。しかしアメリカ横断鉄道が開通して港は衰退し、太平洋戦争以前は田舎町だったロサンゼルスがアメリカ第二の都市となった。文化人類学的に考えれば、アメリカ人の遺伝子は他国とどこか違う。僕の先祖もドイツ、チェコ、ノルウェー、スウェーデン、イギリス、スコットランド、アイルランドの7カ国になる。より豊かな生活を求めて、次男坊や三男坊が海を渡特集土木遺産?A rolling stone gathers no moss(転がる石に苔つかず)008Civil Engineering Consultant VOL.266 January 2015