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・世界恐慌を克服するため、フランクリン・ルーズベルト大統領はTVA(テネシー川流域開発公社)やWPA(公共事業促進局)を設立し、ニューディール政策と呼ばれる全米規模の経済政策を展開した(第16章・Lesson4)。図3全米主要鉄道網(1869年)と大陸横断時間2)「世界地理」教科書で詳説されるインフラ整備の効果アメリカで用いられている高校地理教科書、具体的にはMcDougal Littell社(現在はHoughton Mifflin Harcourt社の中等教育専門会社Holt McDougalとして再編されている)の“World Geography2009”の最大の特徴は、各国(地域)毎の地誌において、「人と環境との関わり(Human-Environment Interaction)」という学習単元が設けられていることである。北米(アメリカとカナダ)の地誌の単元(第5章3節)では、<テーマ1>アメリカ大陸への先住民の入植と農業による国土の改変、<テーマ2>都市の建設(地下空間利用が進む寒冷地・モントリオール、スプロール化が進むロサンゼルス)、<テーマ3>距離の克服(内陸運河、大陸横断鉄道、高速道路ネットワークの整備)の3事例が取り上げられている。<テーマ3>に関する教科書記述は以下の通りである。図4パナマ運河の開通と移動時間の短縮2)・地方部からの人口流入と移民の増加、超高層ビル、エレベーター、路面電車、地下鉄といった都市インフラの整備を背景として、19世紀後半から20世紀初頭にかけて大都市の形成・拡大が進んだ(第15章・Lesson3)。また、1914年のパナマ運河の開通により、ニューヨーク~サンフランシスコ間の航路が13,000マイルから5,200マイル未満に短縮された(第16章・Lesson1)。街道と内陸水路(TRAILS AND INLAND WATERWAYS)・ヨーロッパから入植した移民たちは大西洋沿岸部にコロニー(植民地)を建設し、そこを起点として、ナショナル・ロード(National Road)、ウイルダネス・ロード(Wilderness Road)、オレゴン街道(Oregon Trail)、サンタフェ街道(Santa Fe Trail)等の街道や、ミシシッピ川、オハイオ川等の内陸水路を使って内陸部(西部)に移動していった。・また、彼らは水路を接続するために、運河のネットワークを構築していった。1825年に開通したエリー運河(Erie Canal)は、五大湖と大西洋の間の舟運を可能にした最初の運河である。・北アメリカにおける最も重要な深水舟運ルート「セントローレンス海路(Saint Lawrence Seaway)」は、大西洋から五大湖のスペリオル湖まで船が航行できる海路で、米国とカナダの合同プロジェクトとして1950012Civil Engineering Consultant VOL.266 January 2015