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写真6昇降橋をくぐる船舶写真7運河をくぐる道路写真8サイフォンの原理で運河をくぐる河川と3つの昇降橋が設置されている。その中には、高さ約50mの鋼製主塔間の橋桁が上下に移動する昇降橋がある。両側の主塔には巨大なコンクリート製のカウンターウェイトが吊るされており、その重量感には圧倒させられる。セントキャサリンズにある博物館の庭には最上部にある滑車が展示されている。また、運河を横断するのは橋だけではない。運河をトンネルで貫いている道路も3箇所ある。さらに、河川も運河と立体交差している。川が川の下を通過するという奇妙な構造であるが、これはサイフォン式になっていて、上流側の水位と運河をくぐった後の下流側の水位は等しく保たれている。■周辺の関連施設運河下流の街セントキャサリンズにある第3閘門脇には博物館が建っている。ウェランド運河の歴史や存在感を世に周知せしめ、その貢献度を広く一般にアピールしている。ウェランド運河センター内にあり、運河の模型、展示施設、視聴覚室のほか、屋外の展望デッキからは、閘門を通過する船舶の一連のサイクルが見学できる。また、運河中流の街ソロルドにある第7閘門近傍にも、ヴューイングコンプレックスと呼ばれるインフォメーションセンターがあり、ここでも船舶を間近に見ることができる。■運河とともにウェランド運河沿い、エリー湖近く、ナイアガラ川沿いそしてオンタリオ湖近くには、1周約140kmの周回道路が設けられている。ウェランド運河パークウェイトレイルと呼ばれる遊歩道で、サイクリングなどに利用されている。レクリエーション施設の一つとして市民に親しまれ、憩いの場ともなっており、いたるところで水辺空間を楽写真9 博物館が併設されている第3閘門模型(セントキャサリンズ博物館)しめる。ウェランド運河は、誕生から200年近く経た今もなお北米大陸の枢要な舟運ルートの一部として機能している。運河はこれからも多くの改良が施され、社会経済の要請を受け、東側に5代目の運河を建設する計画があるという。今後も上下流への舟運の需要と、地元の人たちや観光客に運河が利用され、愛され続け、運河は次代へと着実に継承されてゆくであろう。これからもセントローレンス海路の一部として、その重要な役割をずっと演じ続けてゆくに違いない。<参考資料>1)パンプレット『CANADIAN Geographic The St. Lawrence Seaway』、The St.Lawrence Seaway Management Corporation、2009年2)ホームページ『THE WELLAND CANAL SECTION OF THE ST. LAWRENCESEAWAY』、The St. Lawrence Seaway Management Corporation、2003年3)パンプレット『Niagara’s Welland Canal, Niagara, Canada』、TourismExcellence Niagara、2013年4)小冊子『ABC’S OF THE SEAWAY』、The St. Lawrence Seaway ManagementCorporation5)小冊子『The driver’s guide to the Welland Canal』、Colin K. Duquemin、2004年6)小冊子『The driver’s guide to the Historic Welland Canal』、Colin K.Duquemin、2004年7)写真集『Historic Welland Canals』、Roger Bradshaw、2014年<取材協力・資料提供>1)St.Catharines Museum2)坂田晴彦(通訳)写真10ウェランド運河パークウェイトレイル<図・写真提供>図1参考資料3を基に株式会社大應作成図2参考資料2P14上、写真7、10茂木道夫写真1、2、5(右下)、6川崎謙次写真3塚本敏行写真4大角直写真5初芝成應写真8佐々木勝写真9近藤安統Civil Engineering Consultant VOL.266 January 2015017