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America’s symbolic“Hoover Dam”アメリカを象徴するダム「フーバーダム」アメリカ、アリゾナ州・ネバダ州特集土木遺産XII北米発展の礎となった土木技術Special Features / Civil Engineering Heritage XII基礎地盤コンサルタンツ株式会社/技術本部/物理探査部佐々木勝(会誌編集専門委員)SASAKI Masaruフーバーダム■砂漠の中の巨大なダム砂漠の中にひときわ輝く世界でも有数のエンターテイメントの街、ラスベガス。そのきらびやかな中心部から車で東南に向かうと、すぐに周りの景色は一変して荒涼な砂漠地帯となる。ボルダーシティーという小さな町を通り過ぎると左手に大きな湖が見える。アメリカで最大の人造湖、ミード湖である。この大きな湖の水を一手に受け止めるダムが、アメリカで最も有名なダムと言ってよいであろう、フーバーダムである。フーバーダムはアリゾナ州とネバダ州の州境に位置し、コロラド川のブラックキャニオンと呼ばれる峡谷に造られた多目的ダムである。1931年に着工し、1936年に完成した重力式アーチダムで、堤高221.3m、堤頂長379.2mの規模を誇る。ダム湖の水は灌漑用水や水道水として利用されるほか、発電所がアリゾナ側とネバダ側のダム直下にそれぞれあり、計17基の発電機で2,080MWの電力をアリゾナ州、カリフォルニア州、ネバダ州に供給している。建設当時、世界で最も高いダムはフランスのシャボンダムで、堤高は136mであった。現在、日本で最も高いダムが1963年に完成した堤高186mの黒部ダムである。このようにフーバーダムは当時として圧倒的な規模のダムであったことが分かる。ミード湖は周長885km、最大水深151.4m、貯水容量は348.5億m 3を誇る。日本のダムの総貯水容量は約204億m 3(2004年)、琵琶湖は約写真1 US93グレートベイシンハイウェイから望むミード湖026Civil Engineering Consultant VOL.266 January 2015