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車両が通れない記念樹がある駐車場(災害時は物資運搬車が停車)図4設置候補地(例)362運動場である。条件項目には、前述した技術的視点とトイレ利用者および学校への支障の視点から、「トイレ用水の確保、下水道管への接続、平常時の支障、車両の進入、掘削の可否」の5項目を設定し、この条件項目を全て満たす位置を設置可能な場所とした。条件を一つでも満たさない場合は、設置不可となる。15雨天時に冠水する4設置候補地決定位置人の動線門設置位置(最終位置)写真1設置位置(例)相対的条件とは、絶対的条件を全て満たした場所から、トイレ利用のしやすさ、近隣住民への配慮、施工のしやすさ等、より良い場所を選定するための条件である。条件項目はトイレ利用者と近隣住民の視点に重点を置き、「避難施設からのアクセス、近隣住民の協力、雨天時の水溜り、近接している家屋、目隠し、支障物」の6項目を設定した。また条件項目に重み付けをし、設置位置に優先順位を付けた。図4は調査・設計を行った学校の表2設置位置の優先順位(例)重み123456プール用水○○○○○○1トイレ用水の井戸水××××××確保が可能かその他××××××絶対総合-○○○○○○的2下水管への接続の可否-○○○○○○条3平常時の支障(行事、授業)-×○○○○○件工事車両○×○○○○車両の進入が4バキューム車○×○○○○可能か総合-○×○○○○5掘削の可否(記念樹、利用形態等)-○○×○○○避難施設からの生徒の動線との重複2 - - -○○○6相アクセス距離・傘の必要性1 - - -○××対7近隣住民の協力2 - - -○○○的条8雨天時の水溜りの有無2 - - -×○○件9近接している家屋の有無1---○○○10目隠し(緩衝緑地等)の有無1---××○11支障物(埋設物等)の多少(施工性)2---○△△総合評価×××○○○11---878設置候補の順位---1311例として示したものである。排水構造は敷地内下水道本管がない、水量の限定的な水源が確保できることから、図2のフローより貯留型となる。各設置位置を前記の条件で評価し優先順位を付けたものが表2である。1~3は絶対的条件を満たさないため設置不可である。4~6は相対的条件より評価し、4または6の位置が設置に適している。しかし、学校と自治体との協議により、雨天時に冠水しないこと、目隠しがあることから写真1に示した位置に決定した。ただし、避難施設からの距離が長いことと、埋設物が多いことが留意点である。■まとめ今後、マンホールトイレを整備する自治体が増加することが予想される。以下にマンホールトイレを公共施設や公共用地に設置する際の留意事項を示す。・設置場所の詳細図面等の資料が不足している場合、建物の位置関係や地盤高等の測量、埋設物の詳細な位置や深さを把握するための試掘作業等の詳細調査が必要である。・災害時は断水も想定され、限られた水源では、トイレ用水は後回しにされやすいため複数水源の確保が望ましい。・災害時にマンホールトイレをスムーズに使用するために、平常時と災害時の管理体制を確立し、日常の維持管理や地域住民への周知、防災訓練での設置訓練を行うことが重要である。<図・表出典>表1『下水道BCP策定マニュアル?第2版?(地震・津波編)』平成2 4年3月図1『下水道BCP策定マニュアル?第2版?(地震・津波編)』平成24年3月Civil Engineering Consultant VOL.266 January 2015041