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写真4嵩上げ増築後の烏原ダム写真5余水吐き写真3建設当初の烏原ダム2)技術は、日本最初の重力式ダムである布引ダムとこれに続く烏原ダムの竣工によって確立され、その後全国に大規模なダムが続々と造られています。烏原ダムは、写真3に示すように粗石とモルタルで堤体が築かれ、表面に石を張った構造で、美しく弧を描く堰堤がこのダムの大きな特徴です。堰堤は、写真4に示すように貯水容量を増やすため、1913(大正2)年8月から1915(大正4)年3月に2.72mの嵩上工事が行われ、現在の姿になっています。また写真5に示すように堰堤中央部に4連アーチの余水吐きを設け、取水塔建屋は、写真6に示すように神殿のような丸い柱が配置され、中央の白い扉には金色の「水」へんがくマーク、さらに入口の扁額には第13代兵庫県知事服部一三の筆によるやしないてきわまらず「養而不窮(井戸は人々を養っても枯れることはない)」の漢字レリーフと、古典的な西洋建築を思わせる姿となっています。に基づき、ダムの自重に地域ごとに経験的に定められた設計震度を乗じて算定される慣性力等を水平地震力として考慮する震度法により行われています。この震度法で設計されたダムは兵庫県南部地震後の評価において、同地震時に震源近傍のダムで観測された地震動記録をもとに、十分な耐震性を有していることが確認されていました。しかし、近年の地震動計測体制の整備やダムサイト岩盤における地震観測データの蓄積が進むにつれ、従来の想定(設計震度)を大幅に超える地震動が観測されていること、重要な土木構造物に対する土木学会の提言を背景に、各ダム地点においてレベル2地震動を具体的に設定し、そのような非常に強い地震動に対するダムの安全性について合理的に照査を行う必要があることから、2005(平成17)年3月に指針(案)が策定されました。この指針(案)では、対象とするダムに対してその安全性について照査し、所要の耐震性能が確保されているかを確認することが求められています。ダムに求められる耐震性能とは、次の3つです。・ダム地点において、レベル2地震動に対して耐震性能が確保されること・地震が発生しても、水を貯めた状態を維持できること・損傷が発生しても、修理が可能であること■ダムの耐震性能照査現在、我が国におけるダムの耐震設計は『河川管理施設等構造令』写真6取水塔建屋Civil Engineering Consultant VOL.266 January 2015043