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4 2静弾性係数(x10 N/mm )43210設計基準強度(21)53 111道路橋示方書(H24)10 20 30 40 50 602圧縮強度(N/mm )913715橋台ABC部位堅壁堅壁翼壁上堅壁ひび割れ多中多コア番号?,?,? ?,? ?少?,?塩化物含有量(kg/m3)2.001.801.601.401.20 91.00 130.80 70.60 110.40 150.200.00深さ0~2cm鉄筋が腐食し始める限界値橋台ABC部位堅壁堅壁翼壁上堅壁ひび割れ多中多少コア番号?,?,??,???,?2~4cm 4~6cm 6~8cm 8~10cm315図3設計基準強度と圧縮強度、静弾性係数の関係図4塩化物含有量の橋台表面からの分布膨張率(%)0.1300.1200.1100.1000.0900.0800.0700.0600.0500.0400.0300.0200.0100.0000 1将来膨張の可能性あり図5残存膨張量試験結果橋台ABC部位堅壁堅壁翼壁下堅壁ひび割れ多中少コア番号?,?,? ?,? ? ?,?可能性が大であることが推測できる。破断面に見られた反応リングの少なさからも、将来の反応の余地の大きさを予感させる。2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14測定材齢(週)■反応の内部進行性コンクリート中のアルカリ金属と反応性骨材、それにセメントと水和反応していない剰余水が依然として内在していることから、内部の反応が長期に継続する必要3条件は整っている。これに外部から刺激を繰り返し受けることで膨張反応は促進、蓄積される。その証しが内部の深いところでの骨材周囲の反10応リングである。反応の内部進行性による40年という積年の膨張圧が、拘束鉄筋外側のかぶり部のコンクリート引張り強度とのバランスを超え、異常ひび割れをもたらしたといえる。■対策対策については、ひび割れが発現する前に行う予防保全と、発現してから行う事後補修がある。従来は、外部要因である雨水などの水分供給の遮断、凍結防止剤の塩化物遮断、そのためのコンクリート構造物の表面保護工が考えられたが、8121464162今回のことからひび割れが長期にわたる進行性であることと、内部の余剰水で反応が継続されていることから、状況に応じた補修方法を模索する必要がある。表面保護工の材料としては、水をはじくだけの性能ではなく、内部の水を発散させる撥水性のシラン系樹脂が有望である。また、余分な滞水を避けるべく、水抜き工を適切に設置することや、伸縮装置からの漏水対策も必要である。ひび割れ部には、浸水と鉄筋腐食を防ぎその進行性に追従できる柔軟型樹脂の注入を行い、美観上から表面保護工による処理を施して平成25年度にこれらの補修が実施された。■おわりにコンクリートのアルカリ骨材反応は、表面的に補修してもこの現象は終結しない。反応が内部進行性なので再度ひび割れが生じる。一方、表面保護工上に新しく出現するので判別しやすく、これがシグナルと考えると、むしろ管理がしやすい。建設10年、管理100年といわれるとおり、長いお付き合いと割り切り、記録を残し、次なるステップの変状の兆候をとらえることが肝要である。Civil Engineering Consultant VOL.266 January 2015049