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平成26年度WAVE・JCCA欧州インフラ事情調査に参加して平成26年度欧州インフラ事情調査報告復建エンジニヤリング第一鉄道・地下グループ栗山亮介KURIYAMA Ryosuke■はじめに私は普段、鉄道構造物の設計関係の業務に従事しているが、それらの業務の紹介とプレゼンテーション能力の向上の意味も含めて、【平成25年度建設コンサルタント業務・研究発表会】にて、発表をさせていただいた。内容は【補強盛土一体橋りょうの地震時挙動および設計法について】という題材で、鉄道構造物における新しい構造形式の設計方法についてである。その結果、幸運にも優秀賞を受賞し、その副賞として今回の欧州インフラ事情調査の視察に参加させていただいた。これまで海外へ渡る機会がほとんどなかった私にとって、この度の視察は非常に新鮮で、貴重な経験となった。本報告では、今回の欧州インフラ調査において、現地で感じたことを記載する。■視察の概要今回の視察は、平成26年6月12日~6月23日の11日間で、主にトルコ・イタリア・スイス・ドイツの4カ国を飛行機・バス・鉄道で移動をした。スイスのマッターホルンやイタリアのアマルフィなど自然の景観が素晴らしい場所から、ドイツやトルコの都市部の視察など、様々な地域のインフラ整備を拝見することができた。視察期間中は幸いにも比較的天気に恵まれ、よりよい環境で視察することができた。個人的には、アジアとヨーロッパをつなぐボスポラス海峡の地下鉄整備やイタリアやドイツを走行するItaro、スイスのマッターホルンを登る登山鉄道、スイスからドイツに向かった氷河写真1アマルフィの街並み特急など様々な列車に乗車できたことなど、通常の業務で接している日本の鉄道との違いを確認できたことに対し、非常に有意義な経験をさせて頂いた。■欧州の都市の景観について今回の視察では、観光客がよく訪れる景観が素晴らしい場所に訪れた。イタリアのアマルフィは崖の傾斜部に街が張付くように形成されており、海と白壁の建物に太陽の光が降り注いで、街を含めた全体的な景色が明るく見えた。街の中を歩くと、通路の狭さにより観光客で混み合ってしまう箇所もあったが、この通路を広げた場合、街の景観が崩れてしまうことが考えられる。このように単に利便性を向上させるだけでなく、街の景観に配慮するために、構造物の統一性を考えること、むやみに構造物を作らず街並みを保守する重要さを感じた。またスイスのツェルマットは、街からマッターホルンが見え、観光客が多いリゾート地であった。ツェルマットはガソリン自動車の乗り入れが禁止されており、交通は馬車や電気自動車を用いている。ツェルマットは、ブルガーゲマインデと呼ばれるツェルマット生まれの地元民で組織された地域共同体が森写真2ツェルマットの馬車062Civil Engineering Consultant VOL.266 January 2015