ブックタイトルConsultant266号

ページ
66/74

このページは Consultant266号 の電子ブックに掲載されている66ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

Consultant266号

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

Consultant266号

平成26年度WAVE・JCCA欧州インフラ事情調査に参加してトルコ?ドイツ4カ国を巡って株式会社復建技術コンサルタント宅地災害復興支援プロジェクト室佐藤真吾SATO Shingo■はじめに私は、平成26年度WAVE・JCCA欧州インフラ事情調査に参加させて頂いた。これは、平成25年9月19日に行われた、平成25年度建設コンサルタント業務・研究発表会において、防災・減災の部で優秀賞を賜り、その副賞によるものである。欧州インフラ事情調査は、平成26年6月12日から同23日までの12日間にわたり、トルコ、イタリア、スイス、ドイツの4か国を視察した。調査団は中村英夫団長(東京都市大学名誉総長)を筆頭に、28名(うちJCCA18名)プラス添乗員1名の総勢29名である。各メンバーは事前にそれぞれ役割分担を決め、訪問都市の概要、河川・地域分野、道路・公共交通分野、都市計画分野、環境・エネルギー分野、ボスポラス海峡のいずれかを担当した。また、訪問都市は、イスタンブール、ナポリ、ローマ、ツェルマット、フュッセン、ライプツィヒ、ドレスデン、エアフルトの計8都市である。私はドイツ国ライプツィヒの都市概要を担当し、調査団の一員として視察に臨んだ。以下、ライプツィヒの概要とともに、私が今回の視察で印象深く感じたことを幾つか述べさせていただく。写真1諸国民戦争記念碑■ライプツィヒの概要ライプツィヒは、ヨーロッパ大陸の中央に商都として発達し、時代ごとに様々な文化が花開いた都市である。特に、音楽では作曲家バッハ、メンデルスゾーン、シューマン、ワーグナー、瀧廉太郎らゆかりの街として国際的に知られてきた。また、ドイツで2番目に古いライプツィヒ大学では文豪ゲーテ、哲学者ニーチェ、日本近代文学写真2炭鉱跡地を再開発した人造湖の巨峰・森?外、ドイツ首相メルケルらが学び、さらには世界最古の日刊紙発行をはじめとする書籍出版、ヨーロッパの天下を分けた諸国民戦争(ライプツィヒの戦い;写真1)、世界初となる見本市(メッセ)の開催、当地で始まった東西ドイツ統一運動など、歴史の舞台としても有名な都市である。一方、街づくりにおいて特筆すべき事項としては、炭鉱跡地の再開発が挙げられる。ライプツィヒ周辺にはたくさんの湖が存在するが、これらは元炭鉱跡地を再開発したものである。かつての露天掘り炭鉱を生かして造られた湖沼地は、ウォータースポーツや水遊びに素晴らしい環境となっている(写真2)。数年後には、枝分かれした運河で23の湖がつながって総水面積175 km 2となり、ライプツィヒ近郊は巨大な湖沼地帯となる計画である。■一方通行逆走防止施設(トルコイスタンブール)写真3は、イスタンブール市内で見かけた一方通行逆走防止施設である。一方通行道路を逆走すると、タイヤに鉄の突起が突き刺さりパンクする仕組みになっている。違反者を完全に無くするために物理的に逆走を阻止する方法としては非常に有効である。日本ではこのよ064Civil Engineering Consultant VOL.266 January 2015