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平成26年度WAVE・JCCA欧州インフラ事情調査に参加して欧州インフラ事情調査団に参加して株式会社日本海コンサルタント社会事業本部/計画研究室/担当グループ長片岸将広KATAGISHI Masahiro■はじめに平成25年9月9日、東京都内で行われた第13回建設コンサルタント業務・研究発表会において、「金沢市公共レンタサイクル『まちのり』の特徴と新たなまちづくりの取り組み」と題したプレゼンテーションを行い、全国34件の中から、光栄にも最優秀賞を受賞した。その表彰式の場で、JCCAの方より、「来年、中村先生とヨーロッパに行けるよ。良かったね!」との一言。それまでまったく知らされていなかったため、あまりの驚きと喜びで茫然自失。かくして私は、平成26年6月12日~23日の10泊12日の行程で実施された「平成26年度WAVE・JCCA欧州インフラ事情調査団」の一員として参加することとなった。■視察行程視察行程は、トルコ(イスタンブール)、イタリア(ナポリ・ローマ)、スイス(ツェルマット)、ドイツ(フュッセン・ライプツィヒ・ドレスデン・エアフルト)の4カ国8都市を10日間で巡るものであった。都市間の移動は、トルコ~イタリア間は飛行機であったが、それ以外は鉄道とバスであり、各国の新幹線や氷河特急、登山列車を体験するとともに、車窓から多くの都市や自然を眺めることができた。主に滞在したのは8都市であったが、移動中に立ち寄った小国リヒテンシュタイン、スイスのブリークやクールも素晴らしい都市であった。滞在中、各国の異文化や風土に触れることができ、生涯忘れられない10日間を過ごすことができた。本稿では、上記行程の中で、特に印象に残ったトピックスについて紹介する。■マルマライ計画?日本とトルコの架け橋?渡欧初日に訪れたトルコの中心都市イスタンブールでは、大成建設株式会社の現地事務所長の案内のもと、「ボスポラス海峡横断鉄道建設工事」(マルマライ計画)の現場を視察した。イスタンブールは、ボスポラス海峡によってアジア大陸側とヨーロッパ大陸側に分断されており、二つの大陸間を地下トンネルでつなぐことは、オスマン帝国時代の1860年に設計図が描かれて以来、“トルコ150年の夢”とされてきた。このような背景の中、日本国際協力機構(JICA)の資金援助のもと、事業費約1,023億円、工期約110カ月をかけて、延長約13.6kmの地下トンネル及び地下鉄が開通した(写真1)。この地下トンネルは、世界最深となる海底60mでの沈埋工法での施工や、世界初となる沈埋工事とトンネルボーリングマシン工事の接続、歴史的市街地の地下におけるナトム工法の採用など、日本が世界に誇るビッグ・プロジェクトであった。このような貴重な現場に触れ、我が国の土木技術力の高さを再認識することができた。写真1ボスポラス海峡をくぐる地下鉄■南イタリア海岸沿いの美しい風景渡欧3日目に訪れたイタリアのナポリでは、専用バス068Civil Engineering Consultant VOL.266 January 2015