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総務省(緑の分権改革)事務局富岡町作物栽培(富岡町内)ふるさと生産組合(富岡町の農家の方達)日本工営(株)富岡町内における活動図3実施体制事務局補助:全体統括、工程管理等日本工営(株)■調査結果●作物栽培、除染効果の検証平成24年5月に作付したデントコーンは、子実を付けた7月の段階で、全て震災で放置された牛の食害に遭った。そのため、8月に再度作付を行い、11月に収穫に至った。なお、コーリャンには食害がなかった。(写真2)初期の作付時から爆音器を設置していたが牛に対して効果はなく、食害後に導入した防護ネットは一定の効果が得られた。モニタリングの結果、作物栽培に伴う空間線量の顕著な減少は見ら実験室レベルでのエタノール留出液の精製九州大学放射線管理九州大学アイソトープセンター作物栽培(富岡町外)、プラント規模でのエタノールの精製、ガス化発電試験NPOしまねれなかった。ただし、初期に行った除草・耕耘作業により、空間線量の減少は確認ができた。土壌からの除去率は、デントコーンが0.054%、コーリャンが0.038%であった。既存文献等と比較するとやや高い結果が得られたが、半減期(セシウム137は30年)と比べ、植物吸収によるセシウム除去の効果は大きくなかった。●作物のエネルギー転換1バイオエタノールへの転換収穫したデントコーンの子実3.0kg、コーリャンの子実2.4kgを利用し、簡易実験室でアルコール留出液3.8lを精製した。アルコール濃度は38%であった。精製したエタノール中の放射性セシウム含有量は、定量下限値(1.4Bq/kg)以下であり、エタノールの精製過程で放射性セシウムは移行しないことが確認された。また、町外で精製したエタノールを無水化し、元富岡町役場にて軽自動車を用いたE3(エタノール3%混合ガソリン)走行試験を実施し、加速やガソリンエンジンへの影響等を確認した。その結果、問題なく走行可能であることを確認した。(写真3)2ガス化発電用燃料デントコーンやコーリャンのバガスを用いたガス化発電の試験では、一定の発電機出力や発電効率を得られることが確認された。電気自動車は、2時間程度で4kWh(30km走行分)程度の充電を行い、走行試験の結果、問題なく充電・走行できることを確認した。(写4)真■事業化の検討生産から製造、利用までの一連のプロセスの事業化について、図4に示すフローを検討した。事業化モデルとして、エタノール写真2 収穫前の圃場(平成24年10月撮影)(左:デントコーン、右:コーリャン)038Civil Engineering Consultant VOL.267 April 2015