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写真3導水工写真4防水工写真5掘削と仮土留工レンガアーチ天井部写真6上床版の配筋写真7鋼製型枠設置鉄筋高流動コンクリート写真8小型カメラによる充填確認を形成している。これらにより、防水性能は高いものとなり、施工後の漏水は確認されていない(写真4)。・掘削と仮土留工RC内巻補強の下床版は、レンガアーチの橋脚フーチングに合わせて構築する必要があるため、フーチング部まで掘削することとなる。フーチングは地中深さ最大約4mとなるため、掘削にあたってはレンガアーチ両端部に仮土留工を設置するが、掘削深さや地下水の高さにより、親杭横矢板や鋼矢板等を選定している(写真5)。・下床版と側壁部の構築掘削により脚部のフーチングを露出後、下床版の施工となる。下床版は型枠等がないため、上床版や側壁部と比べると施工が容易である。一方、側壁部の施工ではコンクリートを上部から打設するため、通常のスランプ値では十分な締め固めができない。そのため、流動化材等を用いてコンクリート打設時のスランプ値を上げることとしている。・上床版(アーチ部)の構築上床版は最も難易度の高い施工となる。鉄筋組立てでは、自重で鉄筋が垂れ下がらないように既設レンガアーチ天井部に打ち込みアンカーで段取り筋を固定した上で、配筋を行っている(写真6)。コンクリートはアーチ天端付近で完全に充填しなければならない。このため、上床版には自己充填性の高い高流動コンクリートを採用している。また、上床版の型枠や支保工にはアーチ形状に合わせて曲げ加工した鋼製型枠を使用し、レンガアーチと同様にアーチを形成するよう景観にも配慮している。鋼製型枠を支える支保工は1m 2あたり数本が必要となり、1径間あたり百数十本を設置する(写真7)。コンクリート打設にあたっては、均等な強度が発現できるように投入口を複数設置し、アーチ奥側から手前に向かって順にアーチ天井部にコンクリートを吹き上げる方法をとっている。コンクリートの充填確認はアーチ端部に設置した確認口で随時行い、溢れた時点で充填を完了することとしている。また、小型の確認カメラをアーチ天端付近に埋め込んで、充填状況をリアルタイムに画像で確認する方法も行っている(写真8)。鍛治橋寄高架橋の施工東京・有楽町間にある鍛治橋寄高架橋は東京レンガ高架橋の一部であり、延長259m、34径間、径間長約6m、幅約8mのレンガアーチからなる単線式の構造である。高架下をバス会社が利用しており、2つの待合室とトイレ、事務室の4径間分を施工した。この高架橋は東京駅に近接して通行人の往来が多く、はとバス発着拠点のため乗降者が密集し、日中の時間帯でのコンクリート打設等は施工困難であった。バス会社の営業存続のため、事前に付近の1径間を代替として用意し、待合室、トイレ、事務室を打って替えして機能を確保した。早期本復旧のため、昼夜を徹して最短工期で施工を完了した。トイレ等の代替設備は仮設といえどもバス利用客が使用するため、本設同等のスペ020Civil Engineering Consultant VOL.269 October 2015