ブックタイトルConsultant269

ページ
32/64

このページは Consultant269 の電子ブックに掲載されている32ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

Consultant269

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

Consultant269

特集5土煉瓦木材料としての復権の可能性?煉瓦造りのアーチ式車道橋?阿久根芳徳AKUNE Yoshinori大福コンサルタント株式会社取締役/技術部長煉瓦造りの土木構造物が建設されなくなって久しいが、ここでは現代における煉瓦アーチ車道橋の建設事例を紹介する。現行の基準では安全性の評価が困難であるという課題を、どのように克服して「古くて新しい橋」を建設していったのだろうか。湧水と近代化産業遺産の町あいら平成17年3月に鹿児島県姶良郡吉松町と栗野町がゆうすいちょう合併して誕生した湧水町は県の中央北端にあり、宮崎熊本県湧水町鹿児島県宮崎県県えびの市との県境に位置している(図1)。東の栗野岳や国見岳を擁する霧島連峰と北西の矢岳山脈に挟まれ、火山灰土壌(シラス)に覆われた盆地を形成している。山の麓には年中絶えることなく冷水が湧き出る竹中池や、国の名水百選にも選ばれている丸池湧水(写真1)などがあり、水道水や灌漑用水として利用されている。町を縦断するJR肥薩線には、近代化産業遺産群に選定された14基の煉瓦造りのアーチ暗渠やトンネルが今でも使われている1)2)。これらの煉瓦構造物は何れも鉄道の開通に合わせ、明治36~42年にかけて建造されたものである。なかでもJR栗野駅前にある丸池湧水暗渠(写真2)は2連で丸池からの湧水流下を担い、機関車の重量にも耐えうる4層積みの構造になっており、大変美しく貴重なものである。図1鹿児島県湧水町の位置写真1丸池湧水写真2丸池湧水暗渠030Civil Engineering Consultant VOL.269 October 2015