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写真3載荷試験装置の状況写真4載荷試験の様子表2リサイクル煉瓦強度試験結果項目単位気乾状態湿潤状態圧縮強度(最大)N/mm 263.2992.48圧縮強度(最小)N/mm 228.2564.10圧縮強度(平均)N/mm 248.7277.91弾性係数(最大)kN/mm 238.1742.49弾性係数(最小)kN/mm 217.9921.72弾性係数(平均)kN/mm 226.8328.90表3載荷試験・シミュレーション解析結果一覧試験・解析ケース単位A-11 A-31 A-32.5 A-35層数層1 3 3 3m 1.08 1.08 2.60 5.42幅列5列5列12列25列煉瓦使用数個490 1,535 3,838 7,675試験結果解析結果最大荷重kN48950?500最大変位mm0.242.10?0.33最大圧縮応力N/mm 21.3720.84?2.86破壊・非破壊?破壊非破壊?非破壊破壊荷重kN?1,0002,3505,100最大変位mm?5.996.166.15最大圧縮応力N/mm 2?3.322.492.47破壊・非破壊??破壊破壊破壊えられる。3層積みのケースA-31では設計荷重の250kNを載荷した際に、リサイクル煉瓦の圧縮強度28N/mm 2に対し、最大圧縮応力が3.82N/mm 2と極めて小さな値を示した。本装置の最大荷重に近い950kNを載荷した際には最大圧縮応力が20.84N/mm 2と圧縮強度の75%程度を示し、破壊直前にあったことが推察される。ケースA-35では設計荷重の250kNを繰り返し載荷させた結果、最大圧縮応力は1.07N/mm 2と極めて小さい結果が得られた。いずれのケースにおいても、リサイクル煉瓦による煉瓦アーチ構造が極めて高い耐荷性を有しており、安全性に問題はないことがわかった。なお、当初計画段階では既存の煉瓦アーチ構造物の径間や層積み数を参考3)に、5層積みアーチを想定していたが、載荷試験の結果、破壊荷重(kN)600050004000300020001000y=948.54x‐60.57200123456幅(m)図3シミュレーション解析による煉瓦アーチの幅と破壊荷重の関係3層積みアーチで十分な耐荷性を有していることが明らかになったことから、煉瓦アーチ橋技術検討会に諮り、3層積みアーチを基本構造とすることとした。シミュレーションによる安定性解析載荷試験の結果を踏まえ、個別要素法解析システムによりシミュレーション解析を行った。解析に用いた物性値は、リサイクル煉瓦の材料試験結果や載荷試験との整合性より求められた数値を用いた。また、構造モデルではリサイクル煉瓦を弾性体として扱い、基礎は固定条件で解析を行った。解析は3層積みアーチ構造について、幅を変化させて載荷試験結果との整合性及び応力変化や変位の状況を確認した。解析結果をみると、アーチ幅が広くなるに従って破壊荷重は大きくなる傾向にあり、その関係は図3に示すような結果となっている。3ケース共に最大変位は6.0~6.2mm、最大圧縮応力は2.5~3.3N/mm 2であり、幅による大きな変化はみられない。これは、単位幅(約1.0m)で受ける最大の荷重がほぼ一定であるため、最大圧縮応力や最大変位に大きな変化がなかったものと考えられる。最大圧縮応力については、材料試験で得032Civil Engineering Consultant VOL.269 October 2015