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Project 1 briefプロジェクト紹介防護・利用・環境に配慮した海岸保全対策?モーリシャス国での礫養浜実証事業の紹介?大中晋ONAKA Susumu日本工営株式会社コンサルタント海外事業本部開発事業部港湾空港部部長代理■はじめに皆さん、モーリシャス島はご存じでしょうか。アフリカ大陸から東に約2,300km離れたインド洋に浮かぶ、南北約65km、東西約45kmのサンゴ礁に囲まれた島です。日本から遠く離れているので、一般にはあまりなじみがないかもしれませんが、「インド洋の貴婦人」と呼ばれ、ヨーロッパのセレブが詰めかける有名なビーチリゾートです。島の面積は1,865km 2、人口約125万人であり、330kmの海岸線の半分以上がサンゴから形成された白砂の海岸です(写真1)。2013年には年間約100万人の外国人観光客が訪れています。一方、特に1990年代以降の観光業の発展、それに伴う海岸域の土地利用の拡大とともに、海岸侵食や高波浸水被害等の海岸災害が顕在化しています。また、今後予想される気候変動に伴う波浪の増大や海水位の上昇は、更なる海岸災害の甚大化と頻発化を招き、モーリシャス国(以下、「モ」国)の観光業や人々の生活に悪影響を与えると懸念されています。これらの背景より「モ」国政府からの要請を受け、海岸の実態把握とその要因、今後のあるべき海岸保全計画を策定するため、独立行政法人国際協力機構(JICA)による開発計画調査型技術協力プロジェクトが、2012年5月から実施されました。ここでは、本事業の一環として実施された実証事業としての礫養浜事業を中心に紹介します。■事業の位置づけと概要本事業はJICAの環境・気候変動・防災プログラムとして位置づけられ、「モ」国の気候変動適応策および防災分野への貢献を目的とするものです。事業は「海岸保全・再生に関する能力向上プロジェクト」および「地すべり対策プロジェクト」の2つから成る「開発計画調査型技術協力プロジェクト」として、2012年5月~2015年6月に約3年間かけて実施しました。コンサルタントチームは地滑りチームと海岸チームに分かれ、このうち海岸チームは国際航業(株)、日本工営(株)、セントラルコンサルタンツ(株)および(株)ふサンゴ礁に囲まれた海岸(Blue Bay)写真1モーリシャスの海岸白砂の海岸(Le Morne)036Civil Engineering Consultant VOL.269 October 2015