ブックタイトルConsultant269

ページ
42/64

このページは Consultant269 の電子ブックに掲載されている42ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

Consultant269

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

Consultant269

Project 2 briefプロジェクト紹介コンクリートがれきを用いたCSG海岸堤防の設計小林裕KOBAYASHI Yutaka株式会社建設技術研究所東京本社ダム部技師長に至る可能性を少しでも減らす。■はじめにて福島県で最初に完成した堤防で040Civil Engineering Consultant VOL.269 October 2015東北地方太平洋沖地震の津波により既設の海岸堤防に未曾有の被害が発生した。この被災を受け、「設計対象の津波高を超えた場合でも施設の効果が粘り強く発揮できるような構造物」の考え方が示されており、粘り強く効果を発揮する海岸堤防が各地で導入されている。1)今回報告を行う夏井地区海岸堤防は、延長920m、天端標高TP+7.2m、堤体積6万m 3のうち4万m 3を震災コンクリートがれきにセメント・水を加えたCSG(CementSand and Gravel)を用いて建設されたものである(図1)。夏井地区では隣接する既設堤防も今次津波により被災した。CSG海岸堤防は、その北側の無堤区間に新設したもので、復旧復興事業としある(写真1)。■「粘り強い海岸堤防」とは東北地方太平洋沖地震の津波による海岸堤防の被災形態は、津波が越流したことによる堤防盛土材料の流出や裏法尻の深掘れであった。「粘り強い海岸堤防」は、設計対象の津波高を超える津波が来襲し、海岸堤防の天端を越流することにより海岸堤防が破壊・倒壊する場合でも、次の性能を有する堤防である。・施設が破壊、倒壊するまでの時間を少しでも長くする。・施設の「全壊」具体的には、裏法尻部の洗掘防止や、被覆工等の部材厚の確保等による盛土材料流失防止策が施された構造である(図2)。■CSGとはCSGとは、建設現場周辺で手近に得られる岩石質材料(河床砂礫、風化岩など)を、分級・粒度調整、洗浄を行うことなく、オーバーサイズ除去や必要に応じて破砕を行うCSG堤防区間920m写真1完成したCSG堤(北から望む)3)図1対象位置と海岸堤防