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■基礎地盤高の設定結果をもとに、支持力が確保できる地盤をCSG堤の基礎とすることを原則として基礎地盤高を設定した。なお、後述するようにN値が小さく基礎として十分でない箇所については、地盤改良を前提として基礎標高を設定した。■地盤改良前(無対策)の安定検討図4のCSG堤の検討フローに基づき、安定検討を行った。夏井地区の地盤のうち、最も軟弱であった夏井川に近い堤防の基礎地盤を、図7に示す3層にモデル化した。表層はN値10未満、下層はN値50以上、中層はN値が10~20程度であった。CSG堤は、図6に示すモデルで検討し、堤体底面の滑動・基礎の反力・基礎地盤の支持力について安定性を検討した。底面反力は全域で圧縮となり、滑動の条件も満足したが、基礎の支持力条件は満足しなかった。CSG堤と基礎地盤を通るすべりについて、図7のモデルで安定検討を実施したが、L1地震時で安全率が1.0未満(0.99)となった。表層から中層はL2地震時に液状化を生じる結果となった。このため、L2地震時の液状化による沈下計算をFEM解析を使用して算出した。その結果、堤防天端は設計水位以下に沈下してしまうこととなった(図8)。このように安定条件を満足しないため、基礎地盤を改良することとした。なお、図2に示した傾斜堤(土堤)の場合でも基礎の安定性や液状化による沈下も満足せず、同様の対策が必要であるとの結論に至った。ドコンパクションパイル工法を計画した。対策後の地盤強度は、N値が21程度(内部摩擦角φ36?、常時の許容支持力196kN/m 2)に向上した。そして再度、安定検討を実施結果、支持力、基礎の円弧すべり、液状化時の沈下量のすべての条件を満足することとなった(表1)。液状化時の沈下も小さく、万一沈下してもオーバーレイによる復旧が容易なレベルである(図9)。また、L2地震時(k=0.35)でも堤図5サンドコンパクション改良概要図イ)CSG堤の安定性検討(常時、L1地震時)YESイ)CSG堤の安定性検討(常時、L1地震時)START堤体物性値の設定堤体形状の設定ロ)基礎の安定性検討(常時、L1地震時)イ)~ハ)の安定条件を満足しているか図4 CSG堤の検討フロー3)N値10未満N値10~20N値50以上CSGNO対策工の検討※ロ)基礎の安定性検討(常時、L1地震時)イ)~ハ)の安定条件を満足しているかYESCSG堤の安定性検討(L2-1地震時)安定条件を満足しているかENDYESハ)液状化による沈下量検討・L2地震での液状化判定・L2地震での沈下量照査※本検討では、ハ)に対する対策をまず実施し、その結果を踏まえてイ)、ロ)の安定条件を確認する手順とする。体の安定性を確認しており、滑動や底面反力、基礎の支持力のいずれも満足する結果となった。■CSG堤の強度の設定CSG堤の必要圧縮強度は、FEM静水圧TP.0.675m水重土重揚圧力図6 安定計算荷重図(地震時k=0.20)高さ9.1m 3)盛土φ=35°基礎φ=28°基礎φ=32°基礎φ=38°NOハ)液状化による沈下量検討・L2地震での沈下量照査NO堤体慣性力堤体自重土圧TP.0.675m静水圧■地盤改良後の安定検討液状化対策として、図5に示すサン図7地盤モデルと円弧すべり計算結果3)(液状化対策前)042Civil Engineering Consultant VOL.269 October 2015