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表1構造検討結果一覧堤体安定性基礎地盤安定性液状化による沈下量項目無対策滑動反力支持力基礎を通る円弧すべり沈下後天端標高と設計水位OKOKNG地盤改良後OKOKOKNG OKNGOKT.P.7.2m (計画堤防高)T.P.7.2m(計画堤防高)T.P.4.4m (照査外水位)T.P.4.4m(照査外水位)T.P.4.28m (沈下後堤防高)盛土CSG図8変形解析結果3)(液状化対策前)T.P.7.2m(計画堤防高)T.P.6.24m(沈下後天端高)T.P.4.4m(照査外水位)盛土CSG図9変形解析結果3)(液状化対策後)解析から求めた。1検討条件必要強度は、静的弾性解析で堤体に発生する最大・最小主応力をもとに算定した。作用荷重は、自重・地震力(L1)・水重・静水圧・動水圧とした(図10)。2安全率の設定計算結果に対し、必要CSG強度はダム基準に準じ安全率4を確保することとした。これは、施設の重要度・解析手法(静的)を考慮し、ダムの基準に準じたものである。3検討結果静的弾性解析による必要CSG強度の分布を図11に示す。CSG堤の変形に伴い、堤敷で必要CSG強度が最大の2.67N/mm 2となった。■CSGの強度と単位セメント量CSGの強度は、施工時に試験施工と共に、室内でCSG試験を行い、ひし形を作成することで求めた(参考文献2)。CSG試験結果をもとに、TP+2.3mを境として配合を変更した。すなわち、標高が高く堤高が小さい箇所は、単位セメント量を80kg /m 3とし、基礎に近く堤高が大きい箇所は120kg /m 3とした。■まとめ海岸堤防としてのCSG堤は、コンクリートガレキの活用性、経済性、図10 CSG堤の変形解析モデル3)図11 CSG堤の必要強度分布図3)写真4 CSG堤を南側から鳥瞰する(H25.11)3)写真5 完成から約1年半経過した裏法盛土部工程短縮面で有用であることが判明した。そして、約7か月間という短期間で約1kmの対象区間が概成し、平成25年10月に完成した。最後にCSG海岸堤防を検討する上での留意点をいくつか記述する。砂質地質上に剛な構造を築造することから、基礎の設計が重要である。このため、ボーリング調査や現位置試験等により地盤条件や支持力を把握して、基礎の安定性、液状化の判定や対策の必要性について検討する。そして、大規模地震時後に到来するL2津波に対して粘り強い堤防として機能するように設計することが重要である。また、海浜地形は高潮等で大きく変動するため、法線の決定の際には、入念な検討が必要と考えている。CSGは、岩石質の材料であればコンクリートがれきに限らず適用の可能性がある。材料の賦存量(採取可能量)、賦存状態、基本的な物性・品質を調査し、経済性や施工性、環境負荷を考慮して適地を選定する必要がある。そして破砕が必要な場合は、破砕後の基本物性を把握することが必要である。今後の大規模地震に備え、堤防整備が必要な場所は数多く、本工法の採用の増加が期待される。<参考文献>1)国土交通省東北地方整備局仙台河川国道事務所:「明日へつなぐ」仙台湾南部海岸堤防復旧プロジェクト、http://www.thr.mlit.go.jp/sendai/kasen_kaigan/fukkou/index.html2)台形CSGダム技術資料作成検討会:台形CSGダム設計・施工・品質管理技術資料、財団法人ダム技術センター、平成24年6月3)福島県いわき建設事務所:夏井地区海岸CSG海岸堤防技術資料、平成25年10月Civil Engineering Consultant VOL.269 October 2015043