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写真1農村部の学校校舎の一例り、エネルギーコストの削減とこれら施設での継続的な暖房施設の運転を図り、もって農村部住民の生活環境改善に寄与することを目的としています。Q2.本プロジェクトの課題と提案内容について教えてください。A2.業務計画書の作成後、仕様変更があり、バイオマスボイラーの調達先が現地から本邦中小企業に変更となりました。履行期限内に概略設計完了という全体工程は変更されなかったことから、製品・メーカー調査を含む情報収集がカギとなりました。急遽国内作業を追加して本邦中小企業ボイラーメーカー情報を収集する一方、同時期に現地ひえきでは候補対象施設の裨益人口規模や既存暖房施設の現況等を調査し、情報分析と計画策定期間を確保しました。その結果、本邦中小企業製品によるペレット・ボイラー25基とペレット製造設備一式からなる機材計画と概略事業費等を履行期限内に取りまとめることが出来ました。準備調査完了の後、無償資金協力事業による工事が、現在進行中です。Q3.本プロジェクトを運営する上で、どのような点に留意しましたか。A3.冬期は零下25度近くに気温が下がり、長距離移動の際に凍結した道路での交通事故等も危惧されたため、無理な現地調査を実施しない等、安全面での配慮に特に留意し、事故ゼロで現地調査を完了できました。Q4.本プロジェクトは、専門とは異なる分野ですが、特に心がけたことについて教えてください。A4.カウンターパート機関との良好な意思疎通と良好な関係維持は、本件のみならず常に心がけてい写真2バイオマスボイラーが設置される小学校ます。幸い、本プロジェクトのカウンターパート機関は、これまで適正に2KRプロジェクトを実施しており、日本に対して極めて高い信頼を寄せていたことはプラスとなりました。Q5.プロジェクトを運営する上で、カウンターパートや調査団員との関係において、通常どのような点に留意されていますか。A5.「日本の常識は世界の非常識、世界の常識は日本の非常識」を念頭に、相手の思考の背景にある文化・習慣を理解するよう留意しています。また、何かで迷った場合には、最終受益者である地元住民の利益は何か、に基づいて思考を整理するよう心がけています。Q6.今後海外業務に取り組もうとする後進へのアドバイスがあれば、お願いします。A6.日本の公共事業も究極には日本国民のために実施している事業であり、海外業務も全く同じです。言語が日本語か、或いは外国語かの違いを最初は大きく感じられるかもしれませんが、そこは習うより慣れろだと思いますので、勇気を持って挑戦して下さい。?まとめ海外の仕事は、専門性もさることながら、柔軟性やコミュニケーション能力の方が重要となるケースが多々あります。課題に対して現地のカウンターパートと協業することで乗り越え、一つのプロジェクトを成し遂げていく達成感とやりがいが、海外事業の醍醐味の一つと言えます。Civil Engineering Consultant VOL.269 October 2015057